東京都千代田区長、解散騒動を陳謝 区政の混乱収束へ (日本経済新聞2020年8月12日)

 東京都千代田区の石川雅己区長は12日の区議会本会議で、解散を巡る区議会との対立について「区民と議会の皆様に多大なご心痛をおかけし深くおわび申し上げる」と陳謝した。11日には解散を取り消す通知を出した。約2週間に及ぶ区政の混乱はいったん収束する見通しとなったが、石川氏への刑事告発をめぐる対立はくすぶる。

  石川氏は議場で「(自身が出した解散通知が)違法という司法の判断を重く受け止める」と述べた。東京地裁は7日に解散通知の執行停止を決定している。今後は区政運営に「真摯に対応していく」とし、石川氏が拒んで中断していた補正予算案の審議に応じる意向を示した。

小林孝也議長は本会議後、「(区政が)正常化していくところに入ったと評価している」と述べた。区議会は区民への一律12万円給付事業などを盛り込んだ補正予算案の審議を月内に再開する。

ただ、石川氏と区議会の対立関係自体は今後も続きそうだ。区議会は強い権限を持つ百条委員会を立ち上げて石川氏のマンション購入問題を調査しており、調査の中で虚偽を述べたなどとして同氏を刑事告発する方針は変えていない。購入問題の調査は続いているほか、今後は別の疑惑も取り上げる予定で、対立が再び先鋭化する可能性はある。

本記事では,千代田区における議会解散の取組を紹介.

の各本備忘録で記録した同取組.

同年同月12日には,同区長からは,「解散の是非」は「司法の場での判断を尊重する」「と申し上げてき」たことから,「司法の決定は」「本体の訴訟判決までの暫定的なものとはいえ」,「違法」「という司法の判断を重く受け止めて」いると述べた上で,「区政を停滞させてはならないという見地から」「令和2年7月28日に遡及し」「議員の地位と活動を有効にするため」,「解散を取り消す決断」*1が示されている.

他方で,同年同月同日には同区議会では,「解散通知による区政停滞の謝罪と円滑な議会審議への協力を求める決議」が「24」名の「出席者」のうち「 23」名の投票者中「 23」名の「賛成」*2で議決されている.

「お互いの立場から」*3の今後の審議過程は要観察.

*1:千代田区HP(区政 : ようこそ区長室へ )「 区民並びに議員の皆様方へ

*2:千代田区HP(区議会審議結果など :議案の審議結果など)「◇ 議案の審議結果等(令和2年第2回臨時区議会) ◇

*3:大森彌・大杉覚『これからの地方自治の教科書』(第一法規,2019年)77頁 

これからの地方自治の教科書

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