総務省は4月から、市町村への若手職員の派遣を制度化することを決めた。初年度は約10市町村に10人程度を派遣する。自治体の人材提供の要望に応えるとともに、財政面などで厳しい課題に直面する市町村の現場を体験させ、国政にも反映させるのが狙い。小規模な自治体へ出向するシステムができるのは初めて。市町村に派遣される職員は、副市長など特別職のほか課長級の一般職員として2年をめどに勤務する。同省はキャリア職員を中心に派遣する予定で、人選を進める。昨年10月に政令指定都市中核市を除く全国の市町村に職員の派遣を打診し、要望のあった28市町村から派遣先を選ぶ。

同記事では、自治制度官庁による市町村への人的支援の制度化を紹介。特に、同記事では、同制度化を、人的支援への各市町村側の意図・要望が在る場合への対応とともに、自治制度官僚の育成目的を指摘する。
長らく自治制度官庁の地方出向では、都道府県の地方課(現在の市町村課)が最初の就任地となってきた。これは、地方課(市町村課)が媒介となることで、若手の自治制度官僚が、都道府県職員とはもちろん、市町村からの同課への派遣職員と交流することで、生々しいばかりの自治体実務を習得する機能を果たしてきたようである。このことをもとに、同記事を考えてみると、都道府県の媒介機能では対応できない自治体の現場にあるということでもあるか。また、いわゆる「集中改革プラン」のなか、今後も各市町村側でこれに応じる自治体が出てくるかは、今後の観察対象。自治体側の意図(現状)と自治制度官庁側の意図とのマッチングこそがこの制度の要。