国家公務員制度の抜本改革に向けた福田首相の私的懇談会「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」(座長・岡村正東芝会長)の答申の原案が8日、判明した。内閣機能の強化のため、首相補佐官とは別に、高度な専門知識を持つ事務次官級の「国家戦略スタッフ」を置くほか、各閣僚の国会対応などを補佐する「政務専門職」を新設。政務専門職以外の公務員の国会議員との接触を原則禁ずるなど、現在の「政と官」の関係に大幅な変更を求める内容になっている。
                〔中略〕
原案は、改革の主要項目として、(1)政・官の分離(2)公務員の採用・育成の多様化(3)職業倫理の確立(4)「官と民」の流動性確保(5)人事一元管理機関の設立――を挙げた。「省益」にとらわれない公務員育成のため、国務大臣を長とする「内閣人事庁」(仮称)を創設。幹部公務員の人事を内閣が一元管理するほか、省庁の垣根を越えた人事異動や、10年間で同期の4分の1を他業種からの中途採用とする数値目標も打ち出した。

同記事では、公務員制度の総合的な改革に関する懇談会における答申原案の内容を紹介。同答申では政治と官僚機構(行政)との分離を主眼に置いた改正を提案の模様。
同提案の実現性は、「接触」とされる範囲と「政務専門職」の内容次第ではあるが、「政官スクラム*1とも解される現状下において、政治と行政との距離感を持つことが現実的な提案となりうるか、要観察。
また、仮に国家公務員法等の改正となれば、地方公務員法にも及ぶことも想定。既に、議員から職員へのいわゆる「口利き」の文書化により「接触」の距離感を透明化することで対応する自治体もある。地公法も同仕組みの功罪を観察したうえでの改正となるか。

*1:村松岐夫「議院内閣制下における政治と行政の協力関係載る類型化と各類型の推移(上)(下)」『自治研究』第83巻第12号2007年12月号、第84巻第1号2008年1月号。本論文は、当方の不勉強さを露呈するようですが、扱いに苦慮。村松先生が兼ねてより展開されていた「政党優位論」を修正(補強)された論考と捉えればよいのでしょうか。読み方次第では転換ともいえるのでは。