政府・与党内で消費者行政の見直しを巡る論議が活発になってきた。「生活者重視」を掲げる福田康夫首相が関連組織の一元化に前向きな考えを表明。自民党内には「消費者庁」の創設構想もある。だが、権限を奪われかねない省庁から反発の声も出る。実現への壁はかなり高い。
消費者庁と言うかどうかは別にして、消費者の接点になる役所の一元化は考えられてもよい」。首相は消費者行政の一元化に意欲的だ。

政府は13日、福田康夫首相が打ち出した消費者行政の一元化について、各省や独立行政法人国民生活センターなどが担う消費者の相談窓口機能を内閣府国民生活局に統合する案を軸に調整に入った。消費者担当相の新設も検討されている。
                 (中略)
 改革案は、こうした機能を国民生活局に持たせ、行政の問題点が判明した場合は内閣府に付与された是正勧告権を活用して各省庁に改善を求める。各省の所管分野における相談窓口機能に関しても統合し、国民生活局で一括して受け付けることを検討する。窓口が一本化すれば、消費者の利便性向上と迅速な処理が可能になる。

同記事では、国レベルでの消費関連行政の一元化(外局統合案又は、国民生活局への一括案)の進捗状況を紹介。
消費者行政は、国レベルでは各府省分立、自治体レベルでの総合化が図られてきた行政領域。近年重点的な行政領域の一つ。ただし、地方分権改革推進委員会西尾勝先生の次の発言のように*1地方分権の関連からは「一元化=国による規制強化」となり、更には「所掌事務の拡大路線」を歩むとの懸念が残る。議論の今後の内容が気にはなる。

例えば都道府県、市町村でやっているが、十分に都道府県、市町村が対応していない。しかし、非難は農林水産省に来るし、厚生労働省に来るしということになってしまう。そんなものを国の機関の責任にされても困ると、各省の中にはそういう腹もあるでしょう。そうすると、国民の生命、安全に関わることについては、各省大臣に指示権を与えろということがあり得る。文部科学省で出てきたのと同じように、指示権を与えろという類の話がやたら出てくるのではないかということを危惧します。

*1:第30回地方分権改革推進委員会議事録(2007年11月28日開催)14〜15頁