府中市が、市のインターネットのホームページ(HP)に掲載するバナー広告の獲得に苦戦している。HP刷新を機に、企業などから広告を募り始めたものの、2か月半たっても申し込みはゼロ。不況で広告が出しにくい企業側の事情もあるとみられるが、HPには「募集中」と書かれた空の広告枠が表示されたままで、市は「HPは<市の顔>。このままではイメージダウン」と頭を悩ませている。
 市は、従来のHPが「必要な情報が探しにくい」と市民らに不評だったため、デザインや構成を4月22日に刷新。その際、「財政難の折、少しでも収入アップになれば」と、トップページの下段にバナー広告を掲載するスペースを設けた。
 広告枠は12枠(1枠当たり縦56ピクセル、横182ピクセル)で、1枠の料金は1か月1万円。5日現在、問い合わせが市内外の企業から数件あるが、HPが市民にどれぐらい見られているかの目安となるアクセス数を市が調べていないため、広告主側が「費用対効果が分からない」などとして申し込みを見合わせたという。
 自治体HPのバナー広告は、県東部4市では、三原市が2007年4月から導入しており、現在、企業、団体が8枠を利用している。府中市総務課は「不景気の中でも広告を出してもらえるように、HPを見ている人の数や年齢層などを調べ、広告主側に提案するようなことも今後は検討していきたい」としている。広告には審査期間もあるため、1か月前までの申し込みが必要。「社会問題、意見広告、個人の宣伝、人材募集」などは掲載出来ない。市総務課は「広告主は市内外を問わず、随時、受け付けているので活用してほしい」と呼び掛けている。問い合わせは同課(0847・43・7194)へ。

同記事では,府中市において,同市HPへのバナー広告に関する取組ついて紹介.2008年4月17日付同年5月24日付同年10月3日付同年6月25日付同年12月6日付の各本備忘録取り上げた,「広告掲載」を通じた「財源は自ら稼ぐ」取組における現況.広告媒体としての自治体に対して広告主が集まらない現況としては,必ずしも同記事において取り上げられている同市のみの現況ではないかとは思われるものの(同市が位置する広島県内に位置する政令指定都市広島市HPを拝見すると,一部のバナー広告については,「募集中」の模様*1),まさに,同記事にあるように「悩ましい状態」にある同種の取組.
同市HPにおけるバナー広告募集状況については,同市HPを参照*2.掲載に係る要項としては*3,「広告を掲載する期間は月単位」となり,「広告掲載料」は「広告枠1枠当り」「月額10,000円」,「広告規格」が,「大きさ」が「縦56ピクセル×横182ピクセル」,「形式」は「GIF(アニメーション可).JPEG又はPNG」,「データ容量」が「5キロバイト以下」とある.同額の有効性の判断基準を提供する上でも,同記事でも指摘されているように,同市HPの一定期間(月単位でも良いとは思われますが)における閲覧数を把握した上で,一般的に公開しておくことが,同広告への掲載希望事業者も出てくる可能性も高いように思わなくもない(技術的にはそれ程難しいとは思わないのですが,どうなのでしょうか).
ただ,「府中市の印刷物等に掲載する有料広告掲載取扱いに関する要綱要綱」の第5条では,その掲載において,「第1順位 公社,公益法人及びそれに類するもので,市内に事業所等を有するもの」,「第2順位 市民の日常生活に関連する私企業等で,市内に事業所等を有するもの」,「第3順位 その他広告として掲載することが適切であると市長が認めるもの」と,「広告掲載の優先順序」*4が定められている.既に同要綱第4条で,いわゆるネガティブチェックとしての「広告掲載の基準」が設けられていることからすれば,広告主に対する優先順位という「事前規制」を予めを設けておくよりも,「広告事業に必要な公平性として,参入機会を公平にする努力」*5として,同要綱第9条による「広告審査会」においてその掲載における優先順位を含めて審査するための手続を採用されることが,潜在的な広告主の参加機会を与える上では適当なようにも考えられそうか.

*1:広島市HP「トップページ

*2:府中市HP「トップページ

*3:府中市HP(府中市有料広告掲載募集市ホームページバナー広告募集)「府中市ホームページ広告掲載募集要項

*4:府中市HP(府中市有料広告掲載募集市ホームページバナー広告募集)「府中市の印刷物等に掲載する有料広告掲載取扱いに関する要綱

*5:石井健一郎「財源は自ら稼ぐ! 横浜市広告事業のチャレンジ」『都市自治体の収入確保策 増収に向けた多様な取り組み』(財団法人日本都市センター,2009年)159頁

都市自治体の収入確保策―増収に向けた多様な取り組み―

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