【宇都宮】市は、市民や来訪者に市内のさまざまな地域資源の「魅力や価値」について知ってもらうアンテナショップ「宮カフェ」(仮称)を10月末、オリオン通りに設置する方針を固めた。自治体のアンテナショップは東京に設置されることが多いが、地域住民向けは珍しい。市都市ブランド戦略室は「中心市街地の活性化に加え、市に対する市民の愛着、誇り、自信などを醸成できれば」としている。
 設置されるのは江野町の空き店舗。道路を挟んでオリオンスクエアがあり、イベント開催時には相乗効果が期待できる。面積は1階が約214平方メートル、2階が約118平方メートル。街中の回遊性向上や集客による商店街の活性化が図れるほか、設置機能を踏まえた必要面積が確保できるのが選定理由。
 宮カフェの基本概念について同戦略室は「市の誇れる財産である地域資源を一堂に集め『その良さ・素晴らしさ』を市民に知ってもらい、市の『イメージ・好感度』のアップを図りたい」とし、その上で全国に発信していく考えだ。店内では音楽ライブやカクテル体験などのほか、観光、プロスポーツなどの情報発信、地産地消メニューなどの提供や地場商品(大谷石、宮染めなど)、土産品(雷都物語など)の販売を予定。また、市民や観光客が気軽に立ち寄れる「縁側」機能も持たせたい、としている。宮カフェ設置は、宇都宮ブランド戦略の一環。市の補助を受けて宇都宮商工会議所が運営する。年間の運営費は約2千万円を見込んでいる。

同記事では,宇都宮市において,同市内にいわゆる「アンテナショップ」を設置する方針であることを紹介.2009年5月11日付の本備忘録において,「領域別」*1機関の一つとしても取りあげてみた,東京都内に設置される「アンテナショップ」.設置市内に設置されるとは驚き.興味深い.同記事にも紹介されている「宇都宮ブランド戦略」及び「宮カフェ」については,同市HP参照*2
同市では,2009年3月に『宇都宮ブランド戦略指針』を定めて,「確実に「宇都宮」という都市そのものに対する信頼や好感を市内外から獲得し,本市内外の人・企業などに訴えかけ,認知してもらうことのできる総合的な宇都宮の都市イメージを「宇都宮ブランド」」*3と位置付け,そのためその対象を「ブランディングの対象は,市内,市外の人たちの両方」(16頁)「市内の人々には,改めて本市の魅力や良さを再認識してもらい,それを市内外に積極的にPR」(同頁)するとある.
同取組については,同指針内では明記されてはいないよう.ただ,ブランドが「決して商品を表現する透明の媒体ではな」く「工場でも技術でも作られない価値が,市場,つまり,伝達と使用の狭間で生まれる」*4ものであるとすれば,同取組は,同市内における「宇都宮ブランド」の「認知」(21〜22頁)を確実なものとする,いわば内発的な「伝達と使用」の試みともいえそうか.要観察.

*1:金井利之「空間管理」森田朗編著『行政学の基礎』(岩波書店,1998年)166頁

行政学の基礎

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*2:宇都宮市HP(うつのみやのまちづくり)「宇都宮ブランド戦略」及び「宇都宮の魅力をみんなで考えるブログ「宮カフェ」

*3:宇都宮市HP(うつのみやのまちづくり:「宇都宮ブランド戦略)『宇都宮ブランド戦略指針』(平成21年3月)14頁

*4:石井淳蔵『ビジネス・インサイト』(岩波書店,2009年)227頁

ビジネス・インサイト―創造の知とは何か (岩波新書)

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