死者の霊魂を呼び寄せるとされるイタコの「口寄せ」が31日、青森県八戸市のJR八戸駅構内のはちのへ総合観光プラザで始まった。八戸観光コンベンション協会が新たな観光資源を掘り起こそうと、試験的に企画。31日に開幕した八戸三社大祭(4日まで)の期間中と、お盆シーズン(13〜16日)の期間限定で行われる。
 イタコの口寄せは、むつ市の恐山で行われる「恐山大祭」が全国的に知られているが、大祭は夏と秋の2回だけ。協会には「普段はどこに行けば、口寄せができるのか」といった問い合わせが相次いでいたという。八戸市内の3人のイタコに協力してもらい、夏の観光シーズンとお盆に合わせて実施することになった。既に青森県外を含め30組の予約が入っており、初日は13組が訪れ、イタコが一人一人に丁寧に応対していた。
 一組に対応するのは5〜10分程度。料金は1回3500円で、予約優先。口寄せには、呼び寄せてほしい故人の名前、性別、命日、依頼人との関係などが必要で、家族や親類、友人に限られる。コンベンション協会の小田勝子次長は「『天国に一番近い駅・八戸』として県内外の観光客を呼び寄せたい」と話している。予約先ははちのへ総合観光プラザ0178(27)4243。

同記事では,八戸駅構内において,「口寄せ」が開始されたことを紹介.
下名,この週末に突如腰痛に襲われ,どうにもこうにも動くことが億劫なため,久しぶりのお休みをとり,やや遅めに起床.寝ぼけ頭で,同記事のリードを拝読.「天国にいちばん近い島」こと「ニューカレドニア」にも呼応した,なかなかロマンティックな名称だなあ,でもなぜ八戸駅なのだろう,と思いつつ,同記事を拝読してみて納得.「天国」との「交信」において「近い」という意味の模様.詳細は,同協会HPを参照*1
恐山では5日間とその開催が5日間*2と希少財であることを踏まえて,同市では「新たな観光資源」の観点からは,「イタコ」もまた,「常に形成され更新され続ける」(交信ではありませんが),「地域らしさ」「ローカル・アイデンティティ*3の一つになるものだと,納得.

*1:八戸観光コンベンション協会HP「はちのへ総合観光プラザで「イタコの口寄せ」を行います。

*2:共同通信(2009年7月20日付)「「恐山」イタコの口寄せに行列 夏の大祭始まる

*3:大堀研「グリーン・ツーリズムが育てるもの」東大社研・玄田有史・中村尚史編『希望学2 希望の再生』(東京大学出版会,2009年)288頁

希望学2 希望の再生

希望学2 希望の再生