県は、人材不足が指摘される高齢者介護の現場に長年務める人の技能を再評価することを目的とした独自の認定制度「ぐんま認定介護福祉士」の運用を、本年度中に開始する。基本課程の認定試験を受けるための研修講座を十月からスタートさせる。
 県によると、国家資格の介護福祉士とは別に、都道府県単位で介護従事者の技能評価制度を創設するのは全国で初めて。研修講座は、前橋市の県高齢者介護総合センターを会場に、十月四日から来年二月二十五日まで開講。認定試験は同年三月五日に実施する。講座は、介護福祉士の資格取得後に実務経験が五年以上あり、現在の職場に三年以上勤務している−などの条件を満たした人が受講できる。認知症などを中心に、介護の対象となる高齢者の疾患の特徴を教えるほか、介護の現場が抱える課題も検証する。県介護高齢課は「将来的には、介護従事者の経験や技能をさらに詳しく評価するための専門課程の講座も実施したい」としている。講座の申し込みは事業所を通じて九月十日まで。問い合わせは、同課介護人材確保対策室=(電)027(226)2565=へ。 (中根政人)

同記事では,群馬県において,介護福祉士を対象とした,認定制度を整備したことを紹介.詳細は,同県HPを参照*1
同制度では,「介護現場においてリーダーとして必要な知識・技能を有する介護福祉士を養成」することを目的として, 同県の「老人福祉施設協議会」「老人保健施設協会」「介護福祉士会」「介護福祉士養成校協議会」「社会福祉協議会」「介護労働安定センター」,そして,同県(「介護高齢課,健康福祉課,高校教育課,高齢者介護総合センター」)が「検討」「連携」が図られて整備された模様.同制度の対象者は,「介護福祉士資格取得後実務経験が5年以上の者(ただし,3年以上の実務経験後に介護福祉士資格を取得した場合については,介護福祉士資格取得後の実務経験が3年以上ある者)」「現在の勤務先(法人)に,継続して3年以上勤務している者」「所属する介護施設・事業所等の代表者から推薦のあった者」の全ての要件を満たす「現任の介護職員」の「60名」と,日々の実務に携われている経験者を対象とした者.受講者は,2009年「10月4日」から「2月25日」までの「全16日」の間で,全26回開催される各種講義(総講義時間4,740分間)を受講後,2010年3月5日(金)9時50分から実施される,100分間の認定試験を受験することになる.
久しぶりにやや寝坊気味の頭で,同記事のリードを拝読した際,新たな介護人材の確保方策なのかなあ,と思いつつ同記事を拝読すると,在職者を対象とした制度とのこと.技能を育成する2つの手法のうちの一つである,「短い研修コースの訓練」*2を行う,off-the-job training(略称,OffJT).「OffJTのもっとも重要な役割は,問題処理の技能を高めることにある」(46頁)ともされるなか,同制度についても,日々の「職場の実務経験workplace-based skills」(47頁)を,「理論的なOffJT」(48頁)を通じて,俯瞰することの意義は高そう.ただ,5ヵ月にわたる同研修講座の受講及び資格認定への準備には,日々の実務との合間に「さしはさむ」(31頁)ことにもなり,実務と研修との持続的な調和のための障害は,一定程度,抑制されているのだろうか.