つる性植物のゴーヤーで建物を覆う「グリーンカーテン」が逗子市役所本庁舎西側にお目見えした。5月下旬にプランターに植えたゴーヤーの苗が高さ約7メートルにまで順調に成長。窓辺に日陰をつくり、蒸し暑い夏に涼しさを演出している。
 市は2008年度から環境教育の一環で、市内の小中学校で「グリーンカーテン事業」を展開。今回はグリーンカーテンに適したゴーヤーの育て方を探る目的で、市緑政課が市庁舎壁面を利用して試験的に実施。条件を変えて生育状況を比較し、実験結果を来年度以降の事業に役立てる。室内の温度差や植物の水分蒸散による体感温度差を実感してもらおうと、市内の6小中学校でも実施中。小さな黄色の花が次々と咲き始めており、これから本格的な収穫の時期を迎えるという。

同記事では,逗子市において,同市庁舎に植栽を行ってきたゴーヤーが,収穫時期を迎えつつあることを紹介.
現在行われている,国会議事堂の外壁洗浄*1とともに,多くの自治体においてその庁舎の壁面に対して,昨今実施されている取組の一つである,いわゆる「グリーンカーテン」.下名の本務校でも,大学内のプールを利用した後,強い日差しの中で敷地内を散歩していると,一部の校舎では同取組を行っており,見た目だけでも涼しくなる.
朝顔,ヘチマ,そして,同記事のようにゴーヤーが植栽されるなか,やはり,例えば,2009年8月12日付の同紙で紹介された川崎市高津区のように*2,収穫後の実利の点からもゴーヤーの魅力は高そう.同日付の同紙の報道によると,同区では,「収穫した約150本のゴーヤーを利用した定食」を設けて「5〜26日の毎週水曜日に提供」されており(本日までですね),更には,「定食1食につき5円」は,「緑のカーテンづくりのための肥料購入などに充てられる」とある.2008年12月7日付の本備忘録で構成を立てた,本備忘録のお馴染み(断続的)観察課題の一つである「庁舎管理の行政学」の関心からは,「グリーンカーテン」を設けることで,良好な執務空間,美味しい食堂,そして,僅かな財源への効果もあり(「第3章:役所食堂の行政学」,「第4章:執務と憩いの空間としての庁舎」,「第5章:財源としての庁舎」),まさに「1本で2度(3度)おいしい」,「再使用(リユース)」*3の仕組み.興味深い.

*1:時事通信(2009年8月22日付)「国会議事堂が化粧直し=「白亜の殿堂」復活へ

*2:神奈川新聞(2009年8月12日付)「区役所庁舎の「緑のカーテン」から収穫したゴーヤーで定食/川崎

*3:寄本勝美『リサイクル社会への道』(岩波書店,2003年)194頁

リサイクル社会への道 (岩波新書 新赤版 (857))

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