光市は24日、課長級以上の職員が市役所の正面玄関に待機し、来庁者に対応する市民コンシェルジュ(総合案内人)事業を始めた。管理職研修の一環。議会の本会議や委員会がある日などを除き、7月20日までの計29日間実施する予定。
 初日は主に午前を山本直樹総務部長、午後を武居雅則総務部次長が担当。市川熙市長も午前中に約30分体験した。「どちらへ行かれますか」などと訪れた人に声を掛け、印鑑証明の交付申請などの窓口まで誘導した。 1階の総合案内所は従来通りの業務をしており、来庁者には「無理に管理職に案内してもらわなくても…」(67歳の無職女性)との声もあった。しかし、山本総務部長は「市民にあいさつを返してもらい、うれしかった。あらためて、行政はサービス業と認識する必要があると感じた」と説明している。

本記事では,光市における管理職研修の取組を紹介.
下名,種々対象を移しつつ(分裂,移り気,そして,何よりも粗雑とのお叱りを頂きますが)自治体行政への観察を続けている問題関心に通底しているものが,実は自治体行政組織・機構において「まずは人柄問題が大切」*1とも解されつつも,管理職が「何をしているのだろう」*2,という素朴な問い.その一例(かな).
本記事にて紹介されている「庁舎総合案内人(市民コンシェルジュ)」については,2010年度の「職員の接遇研修の一環」として「市役所本庁1階」*3に配置.方や,同市における「市職員研修規程」を拝読させて頂くと,同規則第4条において,「部課長職」を対象とした「管理者研修」の「目的」に関しては,「激しい環境変化,行政需要の多様化及び複雑化に対応し,いかに効率的な行政運営及び職場志気の高揚を図るかを追求する」*4ことを目的として規定されている.
本記事で紹介されている「来庁者」の方の「声」も興味深いものの,「庁舎総合案内人」における研修は,同規定にいう「行政需要の多様化及び複雑化に対応」に想定し,いわば「膨大な数の人やグループの関係から作られる重要なネットワークをさばく」「リエゾンとしてのマネジャー」*5とも整理ができそうか.考えてみたい.

*1:大森彌『自治行政学入門』(良書普及会,1987年)264頁

自治体行政学入門

自治体行政学入門

*2:ヘンリー・ミンツバーグ『マネジャーの仕事』(白桃書房,1993年)2頁

マネジャーの仕事

マネジャーの仕事

*3:光市HP(組織から探す政策企画部 財政課平成22年度光市当初予算の概要〜「生活者の視点」で「市民との約束」を実現〜」(平成22年2月)37頁

*4:光市HP(光市の条例と規則)「市職員研修規程」(平成16年10月4日,訓令第40号)

*5:前掲注2・ヘンリー・ミンツバーグ1993年:104頁