甲州市が整備を進めてきたショッピングセンター旧「シルク」(同市塩山上於曽)を市役所新庁舎に改装する工事が終わり、2日、竣工しゅんこう式が行われた。新庁舎には太陽光発電施設やギャラリーに使えるスペースを設けたほか、環境保全バリアフリーにも配慮。7月20日から業務を開始する。
 市によると、新庁舎は鉄筋コンクリート3階、地下1階で、延べ床面積は約1万2千平方メートル。現庁舎の3倍の広さ。総事業費は土地購入代を含めて約13億円。1階には市民ギャラリーやロビーを設け、市民が気軽に立ち寄れる休憩スペースとした。休日にも開放する予定。地下1階に設けられる店舗入居用スペース7区画には、現在3社が申し込みをしている段階という。環境対策では屋上に太陽光パネルを設置。年間5万キロワットの発電を見込み、新庁舎全体の電気使用量の約1割を賄えるという。天候によって室内照明を調節する制御センサーも導入した。
 式には関係者約120人が出席。テープカットで完成を祝い、田辺篤市長は「市民ギャラリーなどを通して開かれた市役所として活用していきたい」と述べた。新庁舎移転後の現本庁舎は、解体後の跡地利用も含めて検討を進めている。

本記事では,甲州市における新しい庁舎の完成を紹介.ショッピングセンターを「改装」され,庁舎とされた模様.同庁舎の詳細に関しては,現在のところ,同市HPでは,現庁舎の外観の画像及び地図*1のみを掲載されており,把握ができず,残念.
同市の取組,2008年12月7日付の本備忘録において項目立てを試みた本備忘録における妄想的・断続的観察課題である「庁舎管理の行政学」の観点のうち,「第5章:財源としての庁舎」からも,興味深い取組.是非,実際に,訪問させて頂き,観察したいなあ.
新しい庁舎は「ショッピングセンター」であったことも反映されてか,本記事では,本庁舎の「地下1階」に「店舗入居用スペース」が「7区画」が設けられており,「現在3社が申し込みをしている段階」とも紹介.2010年6月4日付の読売新聞によると,「約740平方メートル」の「商業用スペース」では,「コンビニや飲食店など計8店を誘致する予定」として,2009「年11月にテナントの募集」開始された後,「市の見通しに反して反応は鈍く」,上記3件の内訳としては「介護用品販売業者,障害者の授産施設,県内企業」であり,募集数に満たない現状に対しては,「地下で営業時間が制限されるのがネック」*2との分析もある,紹介(本記事では「7区画」,同記事では「8店舗」との相違は,計画と現在での募集の差異のためなのでしょうか).
嘗てのショッピングセンターが,庁舎として利用されつつも,店舗の誘致に至ることは,これもまた一つの「その場に宿るもの」*3であるからなのだろうか.考えてみたい.

*1:甲州市HP「市役所の紹介

*2:読売新聞(2010年6月4日付)「地下店舗いまだ決まらず来月20日業務開始甲州市役所新庁舎

*3:佐藤彰「第4回地霊 場に宿るもの」鈴木博之東京大学建築学科編『近代建築論講義』(東京大学出版会,2009年)74頁

近代建築論講義

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