伊豆市内に在住・通勤する20〜30歳代の若者が地域を活性化する施策案を市に提案する事業「伊豆市未来塾」(市主催)が23日夜、同市役所で開講した。塾生は11月末までに各自の事業提案をまとめる予定で、地域への貢献度や実現可能性の高い提案に対しては、市が来年度予算化する。
 若者の人材育成や市民主導のまちづくり促進が事業の狙い。同市は2005年度から開催してきた「伊豆市人づくり塾」を発展させ、本年度から未来塾としてスタートさせた。人づくり塾の卒業生を中心に、公募で集まった若者16人が塾生として参加した。塾生は11月まで毎月開催するセミナーやワークショップを通じ、まちづくりの先進事例を学ぶほか、独自の問題意識を基に具体的な事業を各自で練り上げる。12月に開く事業化審査会で、菊地豊市長や市職員が塾生の提案の中から採用する企画案を選定し、事業費などの支援を検討する。開講式で菊地市長は「来年度予算に向けて案を作ってもらいたい。人口減少対策の戦略を念頭に置き、企画案を考えてほしい」と呼び掛けた。
 初回は三島市職員から三島コロッケや清流を生かしたまちづくりについて話を聴いた後、伊豆市の資源と問題点について塾生同士で議論した。塾生からは「資源も問題点も『人』が当てはまる」「市民が先頭に立って伊豆ブランドを作るべき」などの意見が出された。

本記事では,伊豆市における同市住民による施策提案制度の取組を紹介.同制度の詳細を確認させて頂こうと同市HPを拝見させて頂くものの,現段階では把握できず,残念.公表後,要確認.
本記事の報道では,同制度は,同市における「伊豆市人づくり塾」がその前身.「伊豆市人づくり塾」では,「平成17年度から行われ」ており,2009年度の「第5期」迄開催されており,第5期では「20代から30代の16人が受講」され「11回の講座で企画立案の基礎を学び,グループに分かれて実際に企画に取り組み,発表」*1された模様.「伊豆市人づくり塾」では,上記の通り「企画立案の基礎」の学習として,「グループに分かれ」た「企画に取り組み」と「発表」に止まっていた取組から,本記事を拝読させて頂くと,同制度は,「事業化審査会」を「12月」に開催され,同「市長や市職員」が「塾生の提案の中から採用する企画案を選定」のうえ「事業費などの支援を検討」する取組が特徴の模様.
同記事が報道により,同市長が「開講式」でご発言された「来年度予算に向けて案を作ってもらいたい」という内容を踏まえると,同制度は,「住民を予算の決定仮定に巻き込み,関心を起こすととともに,住民共同ニーズをよりよく反映させようとする」*2「参加型予算」とも整理が出来なくもなさそう.一方で,総合計画制度への参加手法と重点事業数の関係に関する分析結果からは,2008年10月18日付同年12月17日付2009年5月11日付の各本備忘録でも取り上げた,「公募など一般市民の参加を手厚く行うと,その要求に応えるたけに重点事業数が多くなるという仮説を支持」*3とも示されることもあり,同取組が増分の企画に止まららず,予算制約下での企画立案という,「企画と財政の一体化」により取りまとめられることになるか,同塾の審議状況は,要経過観察.

*1:伊豆市HP(市政市役所・施設・組織各課の業務総務部まるごと室秘書スタッフ)「16人の塾生が地域リーダーを目指してはばたく

*2:諸富徹・門野圭司『地方財政システム』(有斐閣,2007年)241頁)

地方財政システム論 (有斐閣ブックス)

地方財政システム論 (有斐閣ブックス)

*3:伊藤修一郎「首長の戦略・マニフェストと総合計画」村松岐夫・稲継裕昭・財団法人日本都市センター編著『分権改革は都市行政機構を変えたか』(第一法規,2009年)34頁

分権改革は都市行政機構を変えたか

分権改革は都市行政機構を変えたか