いわき市総合計画後期分
 いわき市は、2001年度から20年がかりの市総合計画について、来年度以降の後期基本計画を公表した。これまで別計画だった行財政改革を統合したのが特徴で、まちづくりや行財政運営について計5の目標数値と、計181に細分化した具体的な成果指標を掲げた。男女共同参画も主要な柱として進める。
 目標数値は2020年度までに「いわき市が住みよいまちだと思う人の割合」を現在の83・4%から90・0%に引き上げ、市民1人あたりの市債残高を約31万円から10年度末以下にする――など。成果目標は市民1人あたりのごみ排出量を1145グラムから900グラムへ、年間自殺者を41人減の74人に、年間観光入り込み客数1054万人を1300万人に、など114の政策や施策にわたる。行財政改革では、市町村合併で重複した類似施設など約1200の公共施設を統廃合も含めて再編し、23ある外郭団体は経営状態を検証して統廃合も検討するとしている。

本記事では,いわき市における総合計画策定の取組を紹介.同計画に関しては,同市HPを参照*1
本記事で紹介されている,同計画における「成果指標」に関しては,まずは「政策の成果指標」に関しては「市民の「満足度」」*2を置き,「優先的・重点的に取り組む分野」に関しては「最終的に満足度80%を目標」とされ,「これ以外の分野」に関しては「最終的に満足度70%を目標」とされている.次いで「施策の成果指標」に関しては,「国・県等において,施策の目標として位置付けている指標」,「各個別計画(現在策定中を含め)等において,施策の目標として位置付けている指標」,「各市の数値が公表されていて,例えば中核市平均との比較が測定できるなど.他市との比較が可能な指標」,「施策の展開、社会経済情勢の分析等において,一般的に多く使用されている指標」,「社会状態の数値化,またはデータの取得が困難な場合は,目指している社会状態を推し測れる複数の事業実績値や,中間的なアウトカム指標」*3から設定されている.
「通常「右肩上がり」の「フレーム」を想定した」「基本計画‐実施計画の系」の「総合計画」が「正の総合計画」*4であるとすれば,その「裏返し」にある「行革大綱‐実施計画の系」が「負の総合計画」*5となり,「従来」「相対的に別々に策定され」「相互に棲み分け」*6がされているものの,本記事では,「行財政改革を統合したのが特徴」とも報道されており,施策の指標内容においても「一体化・融合化が進」む「正負一体の総合計画」*7として整理もできそうか.ただ,上記の指標化に関して,住民の満足度という政策への指標と,数値化された施策への指標化により,両指標間での「綱引き」*8は生じないものなのだろうか,要確認.

*1:いわき市HP(くらしの情報まちづくり総合計画)「新・いわき市総合計画 後期基本計画

*2:いわき市HP(くらしの情報まちづくり総合計画新・いわき市総合計画 後期基本計画)「<参考資料>成果指標の設定」1頁

*3:前掲注2・いわき市(<参考資料>成果指標の設定)6頁

*4:金井利之『実践自治行政学』(第一法規,2010年)104頁

*5:前掲注4・金井利之2010年:103頁

*6:前掲注4・金井利之2010年:104頁

*7:前掲注4・金井利之2010年:105頁

*8:前掲注4・金井利之2010年:105頁