• 棚橋匡「日本における地方独立行政法人制度の創設」『都市問題』第101巻第12号,2010年12月号,79〜89 頁.

棚橋匡先生より,ご恵与賜りました.ありがとうございました.
本稿では,地方行政独立法人制度を対象に,「利益・制度・アイディア」の3つの要因に配慮されつつ,その「創設に至る過程」,「法人格を有することの意味」,同法人の「業務の限定」,「議会の関与」(79頁)という3つの論点に関して,行政改革会議,地方行政独立行政法人の導入に関する研究会,地方公営企業独立行政法人制度に関する研究会等の審議資料への分析を通じて,考察されております.
本稿を拝読させていただき,同制度におきまして,下名が上手く整理ができていない部分でありました認可主義と対象事業において,認可主義に関しては,「異なるレベルによる関与」が「かなりの程度認める仕組み」とされていることが,「2段階の制度移植の意図せざる帰結」(83頁)であること,また,対象業務に関しては,大阪市における「博物館施設」の地方独立行政法人化に関する第13次構造改革特区提案のように,ご高論で論述されているような「自治体業務においては地方独立行政法人化の豊かな可能性」がありながらも,「対象業務の限定」(86頁)されたことに関して,組織的な「利益」に基づくものであるとの分析は,下名の疑問を解明させて頂く,絶好の貴重な機会をいただきました.
心より御礼を申し上げます.誠にありがとうございました.