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東京電力による計画停電を受け、国分寺市は随時、停電で点灯しなくなる信号機のある交差点や横断歩道で交通整理する警察官がいない「空白地点」に職員を配置することにしている。登下校の児童ら市民の安全を確保することが狙いだ。だが、交通を規制する権限はなく、トラブルも懸念されている。配置計画の前提となる東電の計画も二転三転しており、悩みの種となっている。
 「市民が一人でも無事に帰れるようがんばりましょう」――。市内で初めて計画停電が実施された16日夜、内藤達也・市都市建設部長は同市役所で職員ら約60人を前にあいさつした。この日は警察署員がいない市内22か所に職員約40人を配置。職員は防災服を着てヘルメットをかぶり、歩行者らに注意を呼びかけた。
 市が空白地点に職員の配置を決めたのは、東電が計画停電の実施を公表した13日。市内に信号機のある交差点や横断歩道は120か所あるが、「(事件、事故に追われる)警察の対応だけでは、人手の点で限界がある」(小金井署幹部)との現状を踏まえたもので、14日から配置した。
 とはいえ、日常業務もあるため、派遣するのは、停電の時間帯が登下校と重なる場合などに限る方針。17日は、一部地域で停電時刻が下校時間と重なったが、市内全小中学校は午前中で下校することとなったため、配置を見送った。
 ただ、課題も浮かび上がってきている。一つ目は、職員を配置しても、なお空白地帯が多い点。署員も市職員もいない交差点は、15日と16日の両日は約90か所、14日は約60か所に上った。市幹部は「地域住民に協力を求めていきながら、随時職員を配置したい」と話す。二つ目は、交通を規制する権限が職員にないことだ。実際、16日、自転車で帰宅途中の会社員らが職員に、「車をとめて横断させろ」と詰め寄る場面もあった。「暗闇での誘導は怖い。自分の安全も心配」との声も出ている。さらに、停電時間の公表が遅れたり、変更されたりすることで、職員の配置計画に支障が出ていることも課題だ。市は停電時間の連絡を受けてから警察と調整し、職員の配置場所、人数を決めた上で、人員を確保しなければならないからだ。ある市幹部は「課題はあるにせよ、『何もしないわけにはいかない』という思いで職員を配置している。東電の“無計画停電”は、その思いに水をさしている」と話している。

本記事では,国分寺市における「計画停電」への取組を紹介.
本記事を拝読させて頂くと,同市では「計画停電」時での交通整理における警察官「空白地点」への同市の職員さんを配置.ただし,本記事の後段では,「課題」が示されており,「空白地帯が多い点」,そして,「交通を規制する権限が職員にない」点があるという.
2009年3月6日付同年10月24日付2010年1月14日付の各本備忘録にて言及した,いわゆる「警察の分権化」*1を考えさせられる記事.ただ,「警察の分権化」に関しては,2008年5月7日付にて言及したように,例えば,警備・刑事警察の一部は国が直接執行,都道府県警察へは市民の安寧を扱う刑事警察の大半や交通警察を分担し,市町村は「地域における秩序維持のための最小限の警察権限」を付与するという案の提案*2や,「市区町村が希望する場合には,いざというときには警察官としての職務権限を行使する資格を有する職員を市区町村に配備することを許容することにしてはどうか」*3という警察官の選択的設置権限の提案が示されているものの,交通警察に関しては,都道府県警察に存置する議論が示されている一方で,2009年2月1日付の本備忘録にて記録したように,大都市側からは,「交通規制や生活安全(防犯)」に関しては「包括的な事務権限」を求める提案も示されている.
同市は「第3グループ」*4として全域が「計画停電」の対象となり,その全域内での警察官の「空白地点」に配置.しかし,「グループ分けも変電所からの配線単位で実施」されてはいるものの,「電柱の老朽化による工事や街づくりの進展など」で「供給元の変電所が変更され」つつも,「データの更新が行われていなかった可能性がある」ことから,「変電所からの配線ごとに停電させている」ことにより,「実際に停電する区域がグループ分けされた町名単位の地域と一致しない場合」*5もあるという,いわば「日常的な出来事がきっかけ」となり「実施のギャップを引き起こす」*6状況もある「計画停電」.そのため,例えば,2011年3月17日付の東京新聞に報道された八王子市のように「停電しない別のグループとされていた地域で突然停電」*7となり,「一部地域については,グループが混在している場合」*8が生じており,警察官の「空白地点」のみならず,「計画停電」の空白地域,空白時間への対処も図る場合も想定される.
不確実性が高いなかで,「実情に即し」た対応をはかるうえでも「市町村が中心」*9となる権限の範囲もまた,考えさせられる.

*1:成田頼明『分権改革の法システム』(良書普及会,2001年)394頁

分権改革の法システム―著作集

分権改革の法システム―著作集

*2:大森彌『変化に挑戦する自治体』(第一法規,2008年)200〜201頁

変化に挑戦する自治体―希望の自治体行政学

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*3:西尾勝地方分権改革』(東京大学出版会,2007年)169頁

地方分権改革 (行政学叢書)

地方分権改革 (行政学叢書)

*4:国分寺市HP「地震情報

*5:読売新聞(2011年3月17日付)「グループ分け不完全 東電配電データ不備か

*6:真渕勝『行政学』(ぎょうせい,2009年)391頁

行政学

行政学

*7:東京新聞(2011年3月17日)「八王子市長 東電に抗議

*8:八王子市HP(もしものときのために防災情報東北地方太平洋沖地震に関する情報 )「八王子市域における計画停電のグループ分け[3月16日14時更新]

*9:外岡秀俊地震と社会 上』(みすず書房,1998年)115頁

地震と社会〈上〉「阪神大震災」記

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