定年退職した職員を対象とする山口県の再任用制度で、2011年度の採用数は163人と10年度を21人上回り、過去最多を更新した。県は「団塊世代の大量退職による激変緩和策」と説明しており、12年度以降も当面、100人以上の高止まりが予想される。
再任用は1年ごとの更新で最長5年。勤務実績などを踏まえて選考される。今回初めて再任用されたのは45人。10年度末の退職者の4人に1人が再任用された。勤務形態別では、フルタイムの常勤(月給26万円)は49人、週2、3日の短時間勤務(同13万円)が114人。職種別では、事務職72人、技術職91人。県税事務所の徴収や課税、土木建築事務所の用地買収などを担当し、経験を生かして事務の円滑化を図る。県人事課は「退職者と同規模を新規採用すると年齢構成が再びいびつになる。平準化策として再任用制度を活用している」と説明している。
本記事では,山口県における再任用制度の運用取組を紹介.本記事では「団塊世代の大量退職による激変緩和策」として,「過去最多」の「163人」を「再任用」された模様.
同県の『平成22年度山口県人事行政の運営等の状況』を拝読させて頂きますと,「平成22年4月1日現在」の20,460人の職員数をベースに,同県の「年齢別職員構成の状況」は,下記の表*1のような構成となる.
区分 | 20歳未満 | 20〜23歳 | 24〜27歳 | 28〜31歳 | 32〜35歳 | 36〜39歳 | 40〜43歳 | 44〜47歳 | 48〜51歳 | 52〜55歳 | 56〜59歳 | 60歳以上 |
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職員数(人) | 31 | 453 | 1,032 | 1,306 | 1,610 | 2,049 | 2,406 | 2,946 | 3,381 | 2,926 | 2,190 | 130 |
「48〜51歳」の職員数が最も多く,次いで「44〜47歳」,第三に「52〜55歳」となり,「48〜51歳」が極めて鋭い山巓となり,44歳から55歳の間でまさに「採用者数には凸凹が生じ」た,職員構成上の「団塊の世代」*2となっていることが分かる.同県では「平成25年4月1日」を目途に「19,619人」への「定員適正化目標」*3を定められており,生物的構成としての「団塊の世代」の「平準化策」としてのみならず,上記の職員構成における「団塊の世代」の存在を踏まえると,実働者数の平準化のみならず,職員定員数の減により,変わりつつある職場風景のなかでも,やはり「職場となる現場での経験こそが実務では推進力」となるものとして考えられ,その職場で「働くことに必要な知識」*4の平準化策としても,同制度の運用が長らく持続されることにもなるのだろうか.要経過観察.
*1:山口県HP(組織から探す:人事課:給与班・人事行政の運営等の状況の公表)「山口県人事行政の運営等の状況」(平成22年10月)3頁
*2:礒崎初仁・金井利之・伊藤正次『ホーンブック地方自治』(北樹出版,2007年)203頁
*4:松井望「働くなかでの学びと図書館 ―自治体行政の職場から―」『りべる』No.120,2011年4月,2頁