東日本大震災の影響で今夏の電力不足が懸念されている問題で、川崎市は2日、市民の節電行動を促進するため、今年7月から9月まで3カ月連続で電気使用量を前年同月比15%以上削減した家庭に対し、削減率に応じて記念品などを贈る計画を発表した。
 市地球環境推進室によると、海老名市と東京都荒川区でも市民の節電行動にインセンティブ(特典)を付ける取り組みを実施するという。対象は7月1日現在で、市内の同一住居に1年以上継続して居住している世帯。電気使用量は前年同月の数値を含め、東京電力から毎月発行される「電気ご使用量のお知らせ」に記されており、3カ月連続で15%以上の削減を達成した場合は市に提出する。
 記念品は未定だが、被災地支援のために東北地方の特産品などを検討している。予算規模は2千万円。市は約1万世帯の達成を見込んでいる。同室は「節電は家計に優しい上、インセンティブを付けたことで取り組むメリットを増やした。ただ、無理のない範囲でエアコンの控えすぎによる熱中症などに気をつけてほしい」と呼び掛けている。市はまた、冷蔵庫とエアコンを省エネ機種に買い替える予定の家庭を対象に、導入効果を調査する。対象の約5千世帯に協力金(金額は未定)を贈る。予算規模は2500万円。
 いずれも詳細は7月に市のホームページや広報紙に掲載するとしている。

本記事では,川崎市における,同市市民の節電行動促進への取組を紹介.「3カ月連続で電気使用量を前年同月比15%以上削減した家庭」に対して「記念品」を贈呈される方針とのこと.同取組の詳細を確認しようと,同市HPを拝見させて頂くものの,本記事でも「詳細は7月に市のホームページや広報紙に掲載」とも報道されているように,現在のところ,公表はされてはいない模様.残念.公表後,要確認.
「習慣を変えるのは大変むずかしい」こともあり,「通常の慣行の大幅な変更を必要とする」場合,「普通多くの違反者を生む」*1ことになるため,「服従の報酬」*2を提供される同取組.本記事を拝読させて頂くと,同市では「約1万世帯の達成」を見込まれており,「予算規模は2千万円」により「被災地支援のために東北地方の特産品などを検討」されているとも報道.(調達及び提供等に掛る諸費用を含めて)単純計算で1世帯当たり2,000円相当分の「特産物」.
「前年同月比」が基準となる場合,「前年同月」の電力使用量が,標準的基準であるか否かに関しては判然とはしないものの,いわば「自己管理のインセンティブ*3としては興味深い.ただ,いわば,誘因の受給に関しても,各家庭の自主的な申請に基づきつつも,提供される「特産品」もまた有限であると想定すれば,自発的節電行動を行いつつも,同申請をされない方々又は申請時期を逸した方々が生じた場合への対処法は,要確認.

*1:H.A.サイモン,V.A.トンプソン, D.W.スミスバーグ『組織と管理の基礎理論』(ダイヤモンド社,1977年)395頁

組織と管理の基礎理論 (1977年)

組織と管理の基礎理論 (1977年)

*2:前掲注1・H.A.サイモン,V.A.トンプソン, D.W.スミスバーグ:413頁

*3:北村喜宣『環境法』(弘文堂,2011年)177頁

環境法

環境法