夏の省エネ対策の一環として、東金市は市役所庁舎の「25%節電」を宣言するとともに、きょう15日から市役所庁内に「残業部屋」を新設する。残業する市職員を1カ所に集め、エアコンや照明の無駄遣いと残業そのものを抑制するのが狙い。節電対策で残業部屋を設置するのは全国初の試みだという。
 同市では従来からクールビズの実施やLEDライトへの交換など節電対策を実施。震災後はさらに照明の数を3分の1程度に削減し、2台あるエレベーターのうち1台を停止するなどの対策を進めてきた。電力使用が増える夏場を控え、同市は市役所庁舎の25%節電を宣言。きょう15日から9月15日までの午後6時半以降、庁内を完全消灯する(市民が夜間税務相談を行う火曜日の収税課は除外)。残業する場合は、なるべく早朝の午前7時から事務を行うよう職員に呼び掛ける一方、日没後にやむを得ない場合は残業部屋で職務を行う。残業部屋は市役所2階の会議室に設置。部屋のプラカードには東金商工会議所青年部がマスコットキャラクターとして選定した「やっさくん」が職員に残業抑制を訴える。

本記事では,東金市における節電の取組を紹介.同取組に関しては,同市HPを参照*1
「25%」の「節電」を目指した同市の取組.具体的には,「全庁内完全消灯時間を原則午後6:30に設定」すること,「午前7:00から」の「早期登庁による事務の開始」,「全庁内での冷房使用を極力控えるように努める」こと,「緑のカーテン等の設置による室温の上昇を防」ぐこと,「不必要な電気機器のコンセントを全て抜く」等の「待機電力の排除」を図ること等は比較的定番の取組.
これらの取組に加えて同市では,「庁舎での会議時間の短縮を柱に昼間実施可能の会議等」に関しては「開催時間の見直しや休日開催への移行措置を取るよう積極的に推進する」こと,「各部署単位にECOマネージャー(節電対策責任者)を置き,取組実施状況の確認と職員の節電意識の向上を徹底させるための指導」を行う.前者に関しては,「会議の場こそ,閉鎖型任用制の下での職場内研修の場」「下級職員にも重要事案への参画意識を与える」*2とは解されるものの,まさに,「早く終わる会議は良い会議」*3如く,会議運営の迅速化による事案処理の観点からも相乗効果が期待できそうな取組.興味深い.
そして,同市では,本記事でも紹介されているように,「完全消灯時間以降の事務対象」に「例外的ケースを除き1箇所に集まって事務対応」を図る「残業部屋の設置」*4される模様.一所に集まることになる「残業部屋」なる執務空間は,実際にも「大部屋」*5となるのか,はたまたは極めて狭小な空間の小部屋を同部屋として設定し,小部屋の中での大部屋的執務となることで,残業の行いにくさから勤務時間の管理も促されるのことになるか,2008年12月7日付の本備忘録にて項目立てを試みた本備忘録の妄想的・断続的観察課題のひとつ「庁舎管理の行政学」のうち「第4章:執務と憩いの空間としての庁舎」の観点からも,大変興味深い取組.運営状況は,要確認.

*1:東金市HP(財政課)「東金市における節電対策と今後の取組 この夏 ”市役所庁舎 25% 節電宣言”

*2:西尾勝行政学 新版』(有斐閣,2001年)315頁

行政学

行政学

*3:森田朗『会議の政治学』(慈学社,2007年)2頁

会議の政治学 (慈学選書)

会議の政治学 (慈学選書)

*4:前掲注1・東金市東金市における節電対策と今後の取組 この夏 ”市役所庁舎 25% 節電宣言”)

*5:大森彌『政権交代自治の潮流 続・希望の自治行政学』(第一法規,2011年)284頁

政権交代と自治の潮流 続・希望の自治体行政学

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