県は16日、岐阜総合庁舎(岐阜市司町)にある岐阜振興局を2012(平成24)年度末で廃止し、13年度から振興課など4課の機能を県庁本庁舎(同市薮田南)に移す方向で検討していることを明らかにした。
 県は行財政アクションプランに総合出先機関としての振興局の廃止を明記。ただ、ことし4月から実施予定だった出先機関7種56機関の再編は、国の出先機関改革を見極めるため見送っている。
 一方、岐阜振興局のある同総合庁舎は建築から約90年が経過して耐震面で危険なため、12年度末までに廃止する方針。そのため、他の振興局に先駆けて岐阜振興局を廃止する。岐阜振興局には振興、環境、福祉、出納の4課がある。県人事課によると、廃止後は4課の機能を本庁にある担当課に持たせる方向で検討。課内に「室」を設け、岐阜圏域担当とする案もあるという。岐阜圏域3町を扱う福祉事務所は継続が必要となるため、本庁担当課内に同事務所に相当する部署(室)を設置することも想定している。同課は「本庁内の人員配置やレイアウトを考慮し、振興局と同様に、利用者の利便性を確保できるようにしたい」としている。かつて県庁だった同総合庁舎は、1924(大正13)年建築で老朽化。耐震工事には約30億円かかるため、歴史的価値が高いとされる玄関ホールや特別会議室などを残して壊す予定。残り部分はさら地にして岐阜市に譲渡する協議をしている。同総合庁舎には振興局のほか、岐阜保健所本巣・山県センター、岐阜農林事務所、岐阜土木事務所など県の7現地機関があるが、これらは県庁に近いふれあい福寿会館(同市薮田南)に移転する方針で調整している。

本記事では,岐阜県における岐阜振興局の廃止方針を紹介.
同県では,2010年3月に策定された『行財政改革アクションプラン』において,「総合出先機関としての振興局廃止」*1の方針を明記.同県の5つの振興局は,同県を岐阜圏域,西濃圏域,中濃圏域,東濃圏域,飛騨圏域と5つの圏域に区分され,各圏域毎設置されている.各振興局の概要は,同県HPを参照*2
同記載からは早々の廃止の方針の具体化が窺われそうであったものの,2011年3月に取りまとめられた同プランの『フォローアップ報告』内では.「国の出先機関改革が本県の現地機関の業務に大きな影響を与えることに鑑み」,そのため「これに先行して県の組織再編を進めても,再度,組織を見直さなければならない可能性がある」との認識から,ひとまずは「国の出先機関についての検討状況やその地方行政への影響を十分見極めたうえで結論」*3を示すとしての出先機関の廃止を暫くの間,留保されている.
ただ,本年2011年9月の同プランへの2011年度の「上半期までの取組実績」に関する『フォローアップ報告』でも,これら出先機関のうち「岐阜振興局」に関しては「岐阜総合庁舎入居機関のふれあい福寿会館等への移転を機に,その業務の本庁関係課等への移管について検討」*4する方針が示されている.「領域別」*5の機関として設置される都道府県の出先機関の「まだら」設置とも整理ができそう.
2011年7月1日に開催された地域主権戦略会議内の「アクション・プラン」推進委員会では,「今後の検討スケジュール」として,「フェイズⅠ」の終了を2011年9月とおき「移譲対象出先機関決定に向けての中間とりまとめ」を行い,次いで,「フェイズⅡ」として2011年12月に「移譲対象出先機関,移譲対象事務・権限の決定」*6閣議決定のスケジュールが示されていた国の出先機関改革.
しかし,2011年9月13日付の総務相の記者会見を拝読させて頂くと,「出先機関改革に関してのスケジュール感」は「9月中に中間取りまとめ」,「年末閣議決定,24年通常国会法案提出,26年に実施というトータルのスケジュール感」が示されていたものの,「9月中の取りまとめ」は「新内閣発足」「臨時国会」「外交日程もいろいろあるという中」から「調整中」とも説明.ただし,「年末までに閣議決定,そして,次期通常国会法案提出,そして,26年度中の事務権限の移譲を目指す」「大筋のスケジュール感は維持していきたい」*7との意向が示されている(「スケジュール感」という言葉.下名はこれまで利用したことがありませんが,なんとも面白い表現ですね).同「スケジュール感」が,工程表として具体的なスケジュールとなり,実施された場合,同県の出先機関の統廃合にも実際影響を及ぼすことになるのだろうか.要確認.