県は市町村への権限移譲が進まない6事務を本年度いっぱいで移譲対象から外すことを検討している。県市町村課によると、移譲対象は現在103事務あり、対象市町村全てに移譲が済んだ事務が24項目ある一方、6事務は受け入れ市町村がゼロとなっている。
 6事務は▽身体障害者手帳の交付▽障害児福祉手当の認定▽特別障害者手当の認定▽児童扶養手当の認定▽特別児童扶養手当の認定▽土砂災害特別警戒区域内での開発許可。県は2月県議会にも県権限移譲条例改正案を提出したい考えだ。同課によると、移譲対象事務のうち専門性が高く、新たな人材が必要な事務は受け入れられにくい。身体障害者手帳の交付には医師らによる審議会の設置が必要で、「人的余裕がなく、事務をこなせる態勢をつくることができない」(大仙市総合政策課)というのが実情だ。事務自体に需要がなく移譲する必要がなかったり、移譲に掛かる費用負担が大きかったりというケースもある。

本記事では,秋田県における「条例による事務処理特例」制度による移譲対象事業の検討状況を紹介.対象事務を「縮減」される模様.
同県では,2009年4月16日付同年5月16日付同年10月9日付同年10月15日付の各本備忘録にて紹介した「県・市町村協働政策会議」を設置し「機能合体」*1を進められる同県.「平成23年度権限移譲の受入状況」を拝読させて頂くと,確かに,「身体障害者手帳の交付」「障害児福祉手当の認定」「特別障害者手当の認定」「児童扶養手当の認定」「特別児童扶養手当の認定」「土砂災害特別警戒区域内における特定開発行為の許可」*2の6事業に関しては何れの市町村へも移譲されていない.まさに,「実績に基づく」*3移譲対象事業の「縮減」.
2008年3月8日付同年4月24日付同年8月22日付同年11月2日付同年12月13日付2009年1月12日付同年3月8日付同年4月16日付同年8月30日付同年12月9日付2010年9月12日付2011年8月31日付の各本備忘録にて記録してきたように,下名にとって大変関心がある観察対象の一つの「条例による事務処理」制度.「「身を引く」という「分離型」」以外にも「両者の「連携」や「融合」を今一度重視」*4することも,確かに一つの考え方.

*1:秋田県HP(組織別案内企画振興部市町村課県と市町村の協働)「県と市町村の機能合体を推進しています

*2:秋田県HP(組織別案内企画振興部市町村課市町村への権限移譲の推進状況について(平成23年10月現在))「平成23年度権限移譲の受入状況」1頁,2頁,6頁

*3:松井望「都道府県と市町村の協議と受容圏−「条例による事務処理特例」制度の創設について」『都市政策研究(首都大学東京都市政策研究会・編集)』第2号,2007年,140頁

*4:千葉実「条例による事務処理の特例の現状とこれから」北村喜宣・山口道昭・出石稔・礒崎初仁『自治政策法務』(有斐閣,2011年)567頁

自治体政策法務 -- 地域特性に適合した法環境の創造

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