札幌市は27日、IT活用に関する市民への世論調査の結果をまとめた。市の情報を広報紙から得ているとの回答が8割に上り、2割に満たなかったホームページを大きく上回った。
 調査は8月、市内に住む20歳以上の1500人を戸別訪問して調査票に書いてもらう方式で行い、9割から回答を得た。「札幌市の行政情報を主にどのような方法で入手しているか」との質問(複数回答)には、「広報さっぽろ」との回答が80・7%で1位。次いで「新聞・タウン誌」「回覧板」「テレビ・ラジオ」の順で、「ホームページ」は15・9%で5位だった。ホームページへの評価は「情報を探すのに時間がかかる」と感じている人が約4割。市民の声を聞く課は「広報紙が充実している証しでもあるが、ホームページをもっと活用してもらえる方法を考えたい」とする。

本記事では,札幌市における世論調査結果を紹介.同調査結果は,同市HPを参照*1
世論調査は,「IT(パソコンやインターネット)活用」を主たるテーマに置き,「層化2段無作為抽出法で選んだ札幌市全域の20歳以上の男女1,500人」を対象に,「平成23年(2011年)8月1日(月曜日)」から「8月22日(月曜日)」の間で「個別訪問質問紙留置法」により実施.「回収数(率)」は「1,356件(90.4%)」*2となっている.
本記事の該当箇所を拝読させて頂くと,「札幌市の行政情報を主にどのような方法で入手しますか」という問いに対して「3つまで回答」を求めた結果,「広報さっぽろ」が最も多く「80.7%」,次いで「新聞,タウン誌」(43.1%),「回覧板」(33.3%),「テレビ,ラジオ」(29.6%),「ホームページ」(15.9%)*3の順で入手されていることが分かる.勿論,回答者の年代によりその入手方法が異なることも推察されるものの,総体としては極めて興味深い結果.また,「まちづくりへの関与」を「複数回答」で求めた問いに対しては,「新聞や広報さっぽろなどで,まちづくりに関する情報に目を通している」との回答が「昨年度58.4%」から「62.8%」と4.4ポイント増,方や,「ホームページなどインターネットからまちづくりに関する情報に目を通している」が「昨年度5.5%」から「6.6%」*4と1.1ポイント増と,増加率に関しても広報紙の割合が高く,トレンドとしても広報紙の利用の根強さも窺えそう.なるほど.
自治体広報の構造」での「自己所有の独自の媒体,とりわけ「広報紙」に対する依存度の高さ」*5が嘗ては指摘されたこともある.ただ,現在,他のメディアが存在し,それらの利活用を進めつつあるなかで,住民側からは存外これまでのメディアである広報紙への「依存度の高さ」に至るパラドックスも観察できそうか.考えてみたい観察課題.