愛媛県は2012年度中に、県内の市町の行政改革に対する取り組みや進展度を競う審査会「行革甲子園」を開催する方針だ。必要な費用を12年度当初予算案に計上し、県内の全20市町に参加を呼びかける。「平成の大合併」以降の県内自治体の行革の中身と成果について情報交換するほか、行革で実績のある県外の自治体の事例を紹介し、行革を促進する。
 総務省は「行革の成果を競うコンペは聞いたことがない」(市町村体制整備課)としている。関係予算が県議会で承認された後、来年6月ごろに各市町から、県内の合併が一段落した05年以降の行革で成果を挙げた事例を募集する。職員や議員の削減などの費用削減の面だけでなく、合併で空いた庁舎の有効利用や旧自治体間、地域間の融和に向けた取り組みといった施策も評価の対象とする。
 自治体から寄せられた事例は、専門家などによる選考委員会の審査で数例に絞る。来年8月下旬から9月に松山市内で開く予定の「行革甲子園」で、自治体がそれぞれプレゼンテーションした上で、最終審査を経て「大賞」を決定する。「甲子園」には全市町に出席を求め、「自治体間の横の連携と情報交換に役立てたい」(県市町振興課)という。県外で行革の実績を挙げた市町村の関係者も招き、実例を報告してもらう。 愛媛県内では「俳句甲子園」や「書道甲子園」など、「甲子園」の名称を用いて高校生の部活動の成果を競う大会が多く、行革でもあやかることにした。愛媛県では03年までは70の市町村があったが、平成の大合併により、05年8月には20市町に統合された。ただ、合併以降のコスト減の状況や地域対策などの情報は、県や市町間で共有されることはほとんどなかった。

本記事では,愛媛県における行政改革の取組を紹介.同県に位置する市町を対象に,「行革甲子園」を開催されるとのこと.
同県が現在策定されている「新しい行政改革大綱」に記載されている同取組.同大綱では,同県に位置する「市町」が「厳しい財政状況を背景に」あるなか,現在も「県と同様に簡素で効率的な行財政システムの構築や公共サービスの維持向上に努めるなど」の「行政改革に取り組んでい」るものの,「県・市町及び市町間で行革のノウハウを共有し」「知恵と工夫を生み出していく」ことを目的として,「県,市町が一体となって更なる行政改革を推進」*1することを目指に,「行革甲子園を開催」される方針.なるほど.「行革のノウハウを共有」されるに留まらず,実際の市町,そして,市町と同県との間での業務の「共有」による「行革」も議論されると,更に興味深そう.
「《行政改革》」は「自治体庁内だけでは限界がある」ため「外圧が動員されることがあ」り,従来,その「外圧」としては「国と審議会」*2の存在が観察されている.「行革甲子園」の内容次第かとも考えられるものの,参加される市町の間での「しがらみ」という名の「インセンティブ*3となり,県もまた外圧,はたまた,市町もまた外圧となるのだろうか.開催状況は,要観察.