宇和島市は、部長昇進者選考に関して2012年度人事から昇任試験を導入することを決め、このほど論文試験と適性検査を実施した。石橋寛久市長は「意欲や能力の高い職員を積極登用したい」としており、今月末の個別面接結果と勤務評定も合わせて、3月中旬までに合否を決める。同市によると、県内のほかの市町で職員昇任試験を導入しているのは松山市の課長級、主査級のみ。
 23日、定例記者懇談会で石橋市長は「対象者の考えや希望をゆっくり聞いてみたい」とし、課長級以下にも試験を拡大する考えを示した。一方で「試験を受けていない職員にも昇進の可能性はある。今は導入期なので、今後制度を変えるところがあるかもしれない」とした。

少し古い記事ですが,本記事では,宇和島市における昇任試験制度の導入方針を紹介.
「係長や課長になる際に昇任試験(昇進試験)制度を導入」*1する,または,されている取組は下名の観察対象ではあるものの,同市の場合,まずは塊より始めよ,なのだろうか,本記事を拝読させて頂くと,市長の直近下位の組織長である「部長級」に対して試験制度を採用される模様.7級職である同職は,「部長,支所長,技監」となり,2010年4月現在では「7名」*2が配置されている.
「遅い昇進」ならぬ「遅い昇進制度」とも整理ができそうでもあり,興味深い.ただ,部長級への昇任試験制度の導入により,首長の下での「collectivity」*3が一層確保することが可能となるのか否か,同制度導入後の運営状況も,要確認.

*1:稲継裕昭『地方自治入門』(有斐閣,2011年)90頁

地方自治入門 (有斐閣コンパクト)

地方自治入門 (有斐閣コンパクト)

*2:宇和島市HP(部署一覧総務部総務課人事関係宇和島市職員の給与・定員管理の状況)「宇和島市の給与・定員管理等について」3頁

*3:野中尚人「政治主導と幹部公務員の政治的中立性」村松岐夫編著『最新公務員制度改革』(学陽書房,2012年)30頁

最新公務員制度改革

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