県議会の「議会あり方検討会」(石坂真一会長)は7日、定例会を現行の年4回から1回にして会期を1〜12月とする「通年議会」を導入することで全会派が合意した。完全通年化が実現すれば、全国の都道府県議会で初めてで、2012年度中の導入を目指す。今後は、常任・特別委員会や休会中の議員活動の在り方が議論の焦点となる。各会派は新制度導入に伴い、交通費などの「費用弁償」の支給を厳格化することでも合意した。
 最大会派のとちぎ自民党は前回会合で、年3回の定例会議と年6回の臨時本会議を組み合わせた通年議会の試案を提示していた。実質的な活動日数は現行の117日から138日程度に増える。自民は「機動的な議会運営を目指す」として早期導入を目指しており、試案をベースに早ければ21日開会の2月定例会で関係条例を改正し、新年度から移行したい考えだ。
 通年議会は、災害などの非常事態に即応して会議を開けることや、知事専決処分が減り議会のチェック機能が働くなどの利点がある一方、経費増や担当職員の負担増などの側面もあるとされる。都道府県議会では三重、秋田両県が定例会を年2回としているが、完全通年化した例はない。本県では現在、県議への費用弁償は本会議や委員会がない日でも、議案調査日として会期中なら一日当たり交通費の実費と、公務諸費3千円が支給されている。この日の検討会では、新制度導入後は議案調査日には支給しないことで合意した。

本記事では,栃木県議会における「通年議会」の採用方針を紹介.
同県議会に設置された「議会あり方検討会」の審議の結果により,「2012年度中」に導入される模様.なお,同検討会に関しては,同県議会HPからその構成者の一覧は確認ができるものの*1,同審議会内容は把握できず,残念.
第30次地方制度調査会が2011年12月15日に提出された「地方自治法改正案に関する意見」では,「通年を会期とすることを選択できるようにする」ことの「制度化」の目的には,「住民が議会の審議に参加し易くなるような仕組み」*2の実現も企図されて,同意見が示されていることも分かる.
本記事を拝読させて頂くと,「会期を1〜12月」とする「通年議会」を開催することで,「実質的な活動日数は現行の117日から138日程度」となる見込みが紹介されている.確かに,1年で考えると,残す227日分の非「活動日数」も想定できなくもないものの,まずは,通年議会化により増加した21日分の「活動日数」を通じて,「これまでの議会の機能だけ」*3に限らない,新たな「住民が議会の審議に参加視しやすくなるような」取組もまた行われることになるのかは,要観察.

*1:栃木県HP(栃木県議会委員会・検討会委員会・検討会委員会・検討会)「議会あり方検討会

*2:総務省HP(組織案内審議会・委員会・会議等地方制度調査会会議資料 第30次地方制度調査会第3回総会)「地方自治法改正案に関する意見 」(地方制度調査会,平成23年12月15日)1頁

*3:篠原一編『討議デモクラシーの挑戦』(有斐閣,2012年)236頁

討議デモクラシーの挑戦――ミニ・パブリックスが拓く新しい政治

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