金沢市の公共レンタサイクル事業「まちのり」が二十四日、本格的にスタートした。市内の観光名所や駅などで自転車を借り、返却できる仕組みで、公設民営での事業化は全国初。(田嶋豊)
 市役所で出発式があり、山野之義市長は二〇一四年度末の北陸新幹線金沢開業を見据え「自転車で街中を回遊してもらい、活性化することを期待したい」とあいさつ。運営スタッフが、ベージュを基調としたデザインの自転車の試し乗りを披露した。初日は午後五時現在、三百十一件の貸し出しがあった。事務局の担当者は「あいにくの空模様だったが、雨が上がると、学生や女性らが利用した」と話していた。貸し出し・返却拠点となる「サイクルポート」は金沢21世紀美術館金沢駅香林坊、武蔵など十八カ所に設け、自転車計百五十五台を配置。基本料金二百円で、三十分以内に拠点でチェックを受けてうまく乗り継げば、基本料金で一日中利用できる。事業費は国補助を含めて一億八百万円。市内のコンサルタント会社が運営し、市は年間延べ十万回の利用を目指している。
 まちのり事業は一〇年の夏から秋にかけて社会実験を行い、一日当たり三百五十件の利用があった。利用者のほとんどが本格実施に賛成し、市で準備を進めてきた。問い合わせはまちのり事務局=フリーダイヤル(0120)319047=へ。

本記事では,金沢市における公共レンタル・サイクルの取組を紹介.同取組に関しては,同市HPを参照*1
しばしば,「法規面でのステーション設置の困難」性,「収支に不安がある」ことなどを主たる理由として,「実証実験が終わると,跡形もなく片付けられ」*2ることが観察されるという,公共レンタル・サイクルの取組.本記事を拝読させて頂くと,同市が実証実験を経て実施に至る際に,「実施主体」が同市,「運営主体」*3が金沢レンタサイクル まちのり事務局」と,設置と運営の分離を図られたことも特徴の一つとなる模様.
「身長が概ね140cm以上の方」であれば,1日200円の基本料金で30分間の利用可能.「利用期間中」は「基本料金のみで何回でも利用」可能ではあり「1回の利用時間が30分を超える」た場合には「30分ごとに追加料金200円が加算」*4される.利用に際しては,「クレジットカード」等が「まちのりの鍵」となる.具体的には,「各ポートにある端末機のタッチパネル」に登録することで,「専用のICカード」とともに「利用当日のみ有効なパスワード」*5が発行されることとなる.
「容赦なき課金」*6の仕組みが埋め込まれることで,自転車の返却と回収を高めることも想定されているとも考えられそう.2009年12月24日付の本備忘録にて記録した富山市の「アヴィレ」とともに,利用状況は,要観察.