臼杵市は、より効率的な行財政運営の手引となる「行政経営マニュアル」を作成、全職員に配布した。各種施策を評価、検証し予算編成に生かすための手法を整理。管理職が施策管理に活用するとともに、若手職員らに行財政改革の経緯と意義をあらためて理解させる作りになっている。
 臼杵市は1998年度以降「臼杵方式」と呼ばれるバランスシートをはじめ、事務事業を評価するサービス検証システム、施策評価、施策についての市民アンケートなどを「行政経営ツール」として市政運営に使っている。マニュアルはこれまで部・課ごとに運用が異なっていた各ツールに、統一したルールを設けた。38ページあり、各ツールの仕組みや書類の作り方、一年間の業務の流れなどを細かく説明している。マニュアル作成を機に本年度早速、施策評価の仕組みに見直しを加えた。これまで10月〜12月ごろ行ってきた市民アンケートを、6月〜7月に前倒し。施策の外部評価組織である行財政活性化推進委員会を10月ごろ開くことで、市民意識を翌年度の予算編成により反映しやすくする。また夏に施策を内部評価する際に、関連する事業の併記を義務付け、関連事業全体のコストも明記。コスト意識を高め、事業の重複や無駄のチェックを強化する。市財政企画課は「マニュアルは随時改良し、職員のレベルアップにつなげたい」と話している。

本記事では,臼杵市における「行政経営マニュアル」作成の取組を紹介.(下名の確認仕方が悪いのでしょうか)同市HPでは,同マニュアルを確認することができず.残念.
本記事を改めて拝読させて頂くと,同市が実施されてきた「バランスシート」「事務事業を評価するサービス検証システム」「施策評価」,「施策についての市民アンケート」等を「行政経営ツール」と総称し用いられてきたものの,同市では「これまで部・課ごとに運用が異なっていた」とも報道されている.各部門横断的な「管理技術」*1としての各ツール.いわば,ヨコ割り的な制度のなかのタテ割り的な制度運用が観察されてきたのだろうか.同マニュアルの作成という「標準作業手続」*2を置くことで,ヨコ割り的な運用へと移行されることになるのだろうか.要観察.

*1:西尾勝行政学 新版』(有斐閣,2001年)365頁

行政学

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*2:グレアムTアリソン『決定の本質』(中央公論新社,1977年)98頁

決定の本質―キューバ・ミサイル危機の分析

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