県経営管理部は、ほとんど応募がない状況が続く県有施設のネーミングライツ命名権)販売について、値下げを視野に検討に入った。
 ネーミングライツの対象は、県総合文化センター(宇都宮市)や県南体育館(小山市)など10施設で、すべて5年契約が条件。価格は300〜5000万円以上となっている。県行政改革推進室は昨秋、県内企業や県内に事業所がある県外企業など50社を対象に、事業見直しに向けた意向調査を実施。その結果「スポーツ施設への広告は県外にも発信できる」「利用者層がはっきりしているところが魅力」など広告効果に好意的な意見があった半面、「価格が高い」「契約期間が長い」など募集条件への不満も挙がったという。県議会などからは、かねて「PR不足」「営業努力が足りない」との指摘も出ており、23日の県議会県政経常任委員会でも価格や対象施設の見直しを求める意見が相次いだ。同推進室は、条件を見直した上で「新年度から契約できるようにしたい」としている。
 他県では、Jリーグクラブのホームスタジアムにネーミングライツを導入しているケースが多い。J2栃木SCのホーム・県グリーンスタジアムの募集施設追加について、同推進室は「県教委やJリーグと調整しながら、候補にできるか考えたい」としている。

本記事では,栃木県における命名権の取組を紹介.
現在の同県の命名権の募集状況を拝見させて頂くと,「継続募集中」の施設は,9施設.何れの施設も5年間の期間で募集をされており,具体的には,「総合文化センター」を「5,000万円以上」,「宇都宮産業展示館」を「2,500万円以上」,「なかがわ水遊園」を「2,000万円以上」,「とちぎ花センター」が「1,200万円以上」,「とちぎわんぱく公園」が「2,500万円以上」,「日光霧降アイスアリーナ」は「500万円以上」,「県北体育館」は「500万円以上」,「県南体育館」は「1,000万円以上」,「温水プール館」は「300万円以上」*1と価格が設定されている.
実際の同募集は「平成19年10月1日(月曜日)から随時受け付けます」との表示もあり,「公共施設には命名権契約がなかなか普及しな」*2いのだろうか,当初10施設で募集された命名権のうち「子ども総合科学館」を除き,上記の9館に関しては,本記事からは「応募がない状況が続」いている様子を窺える.本記事させて頂くと「値下げ」「募集施設追加」という「インセンティバイズ」*3も検討される模様.対象の増加,価格の再設定による募集状況も,要確認.

*1:栃木県HP(県政情報県政運営行政改革)「ネーミングライツパートナー及び企業広告の募集について

*2:マイケル・サンデル『それをお金で買いますか』(早川書房,2012年)268頁

それをお金で買いますか――市場主義の限界

それをお金で買いますか――市場主義の限界

*3:前傾注2・マイケル・サンデル2012年:127頁