全国の地方自治体が観光や物産品をPRするのにホームページ(HP)のバナー広告を活用してもらおうと、目黒区は、北海道から沖縄まで五十二の観光課・観光協会などに区HPへの広告掲載を呼びかけている。民間より低価格の広告料を武器に、財政難の区財政に役立てる狙い。今夏、鳥取市からの予想外の問い合わせで需要に気付いたためで、十月から市運営のネットショップの広告掲載を始めた。 (滝沢学)
 バナー広告は、ネットのサイト上で他のサイトを紹介する宣伝用の画像で、クリックすると紹介したいサイトが表示される。区HPは月平均三十万件の閲覧があり、広告料は月額二万円。区は昨年六月にバナー広告を導入し、主に都内、区内の店舗、宿泊施設などへ利用を呼び掛けてきた。
 鳥取市運営のネットショップ「とっとり市(いち)」は、食品、工芸品を中心に約百十の店舗が参加する。市経済・雇用戦略課の入江卓司さん(39)は「大手サイトの料金は非常に高い」と言う。同じ料金で大手サイトなら一週間程度しか広告を掲載できず、自治体の限られた予算を有効利用する試験的取り組みとして、目黒区サイトに着目した。「月間閲覧数を二十三区の各HPで確認し、東京で暮らした経験のある職員の意見も参考に住宅街の目黒区を選んだ。自治体が自治体HPを活用する例はあまりないと思うので、逆に目立ってくれれば」と話す。「とっとり市」の十月のアクセス件数は百三十。目黒区の二十七あるバナー広告でトップだった。区は友好都市の宮城県気仙沼市角田市の震災復興支援で、両市の業者には広告を無償提供中だが、鳥取市の担当者も「地場の物産紹介は新鮮に映った」と話す。
 目黒区は、十六日付で全国に発送したバナー広告募集の案内文の中で「とっとり市」サイトについても紹介した。現地は今月から松葉ガニが旬の季節を迎え、入江さんは「サイトで買える」とアピールしている。

本記事では,目黒区におけるホームページによる広告掲載の取組を紹介.本記事を拝読させて頂くと「全国の地方自治体」に対して「民間より低価格の広告料」を設定し,同区HPへの「広告掲載」を募集された模様.なるほど,興味深い.
同区のバナー広告の掲載要件を拝読させて頂くと,まず,掲載料は「1ヶ月につき20,000円」と設定.ただし,掲載月は「1か月を単位」に「最長12か月まで掲載」が可能となり,「掲載月数」が連続すると「広告掲載料金の減額免除制度」もある.例えば,「連続した12月分」の場合には,最終月にあたる「12月分の掲載料金から4万円を減額」,「連続した6月分」の場合には,こちらも最終月にあたる「6月分の掲載料金から1万円を減額」されており,連続掲載を促す課金制度となっている.また,「東日本大震災で被災した角田市及び気仙沼市の復興支援策として掲載する場合」(いずれの都市も,同区と「友好都市協定を締結」*1されている)と「区が実施する事業に参加した区内事業者」で「区が表彰又は認定する事業者,その他事業実施課が適当と認める事業者に対する特典として掲載する場合」には「全額」*2が免除となる.
同区のバナー広告では,「掲載の決定」に際して,「申込み多数の場合」は選考を行い,その「優先順位」を予め規定されている.「第1順位」は「国,地方公共団体,公社,公団,公益法人及びその他これに類する公共的性格を有する団体の広告」,「第2順位」は「私企業及び自営業で,区内に事業所等を有するものの広告」,「第3順位」は「上記以外の私企業及び自営業の広告」とされている.また,「同一順位の場合」には「広告掲載希望期間の長い広告を優先」,「掲載希望期間も同一だった場合」は「抽選で決定」*3となる.「広告などからの歳入確保」*4策となる同取組.今後の同区HPへの掲載状況は要確認.