地域主権改革一括法の4月施行で、公営住宅の入居要件など地方自治体が条例で決めるようになった公共施設の運営基準のうち、市区町村が9月議会までに条例化を済ませたのは2割弱にとどまっていることが24日、内閣府の調査で分かった。都道府県は5割で、職員やノウハウの不足が影響したようだ。
 各自治体は来年3月末までに、すべての条例を制定する必要がある。内閣府は「参考となる先行事例を市区町村に紹介して、条例づくりを支援したい」としている。条例化できる基準の数は自治体ごとに異なる。市区町村全体では、延べ2万4千あり、制定済みは4千だった。一方、都道府県は延べ1400のうち、700の処理を終えていた。12月議会と年明けの議会で条例整備が進むとみられ、12月議会の終了時には、市区町村が5割、都道府県は9割に上昇する見通しだ。
 公営住宅のほか、住民1人当たりの都市公園面積など国が法令で全国一律に定めていた基準の一部は、一括法で地方が決めるように改善された。基準によっては自由裁量が幅広く認められ、地域の実情に応じた独自基準を定める動きが各地で出ている。〔共同〕

本記事では,内閣府における各自治体による施設・公物設置管理基準に関する条例の制定状況調べの結果を紹介.同調べに関しては,同府HPを参照*1
同調査は,1,789の「全ての都道府県・市区町村を対象に2012年4月から「施行された施設・公物設置管理基準等に係る条例委任に関し」て,「条例の制定状況(9月議会までに提出済・今年度提出予定)」と「地域の実情を踏まえ,国の条例制定基準とは異なる内容の独自の基準を設ける例」について調査.3回目.
同調査結果に関しては,本記事でも概要が紹介.より厳密な値を確認させて頂くと,都道府県では,49.8%が制定済みとなり,50.2%が今後制定する予定.そのうち,「平成24年12月議会」への提出予定の都道府県は45.0% ,「平成25年2月(3月)議会」は4.6%,「提出時期調整中」が0.6%とある.政令指定都市では,22.2%が制定済みとなり,77.8%が今後制定予定となり,12月議会への提出予定は64.2%,2月(3月)議会は13.5%,調整中が0.1%,中核市では19.9%が制定済み,80.1%が今後制定予定,65.9%が12月議会,12.9%が2月(3月)議会,1.3%は調整中,他の市区町村では17.0%が制定済み,83.0%が今後制定予定,29.2% が12月議会,36.9%が2月(3月)議会,16.9%は調整中とある*2.基準の内容では,独自基準を制定しない独自性をも自治体側には許容されてはいるものの,まずはその独自性よりも基準の条例制定という「横並び競争」*3は,12月議会に概ねの自治体で議会提出に至る模様.
なお,同調査では,都道府県と都市制度区分別の概数が掲出に止められており,個々の自治体の制定状況は現在のところ確認できず.残念.同調査結果からは,大都市特例の対象都市,いわば制度自治体により,独自基準制定率の相違が見られるものの,実際の規模や施設・公物設置状況という,いわば,実体自治体毎から整理するとその制定率と基準の独自性はどのようになっているのだろうか.要確認.

*1:内閣府HP(内閣府の政策地域主権改革義務付け・枠付けの見直し)「義務付け・枠付けの見直しに係る条例制定状況調査の概要(第3回)」(内閣府地域主権戦略室,平成24年11月)

*2:前掲注1・内閣府(義務付け・枠付けの見直しに係る条例制定状況調査の概要(第3回))1頁

*3:秋吉貴雄,伊藤修一郎,北山俊哉『公共政策学の基礎』(有斐閣,2010年),256頁

公共政策学の基礎 (有斐閣ブックス)

公共政策学の基礎 (有斐閣ブックス)