• 大杉覚「都市制度再編の背景と行方」『ガバナンス』No.142,2013年2月号,17〜20頁.

ガバナンス 2013年 02月号 [雑誌]

ガバナンス 2013年 02月号 [雑誌]

大杉覚先生より,『ガバナンス』(2013年2月号)をご恵与賜りました.ありがとうございました.大杉先生は,同誌に「都市制度再編の背景と行方」と題する論攷を寄稿されております.
そこで,本日は,同論攷.
本稿では,まず,大都市改革論議の歴史的背景への考察を通じて,これらの論議が「地域発」(18頁)で検討されてきたことを明らかにされています.次いで,現在の大都市改革に注目し,その特徴には「水平的な自治体連携」(19頁)があることを論じられています.最後には,このような過去から現在までに至る都市制度再編の論議は,結果として「地方行政の総合性」(20頁)に帰結することを述べられています.
この総合性確保に関する以下の指摘は,総合性の概念を立体的に捉えることが可能であると知り,なるほどと思いました.

行政の総合性確保とは,事務権限の移譲を受けて,住民サービスを多種多様に提供するというように,“間口”をヨコに広げていくだけのことではない.企画立案から政策選択,決定,そして執行というタテ方向での権限面の一貫性を拡充するという,いわば“奥行き”を押し広げることも重要である」(20頁)