県と宮城復興局は25日、東日本大震災で被災した地区ごとの復旧、復興事業を1枚の地図に集約した「復興まちづくり事業カルテ」を策定した。国と県、被災各市町の取り組みをまとめ、被災者に「見える復興」を実感してもらうのが狙い。
 第1弾として仙台、石巻など沿岸13市町の計26地区を県のホームページで公表した。高台などへの集団移転や被災市街地の区画整理、自力再建が困難な被災者向け災害公営住宅の整備事業を網羅する。事業ごとに色分けし、見やすさも考慮した。
 東松島市野蒜地区の場合、野蒜北部地区の区画整理事業を中心に記載した。造成される宅地の供給開始を2014年度後半、災害公営住宅の入居開始を15年度前半と見込んだ。防潮堤や河川堤防、道路、橋の完成時期に加え、内陸移設するJR仙石線の位置も示した。カルテの策定作業は国や県、市町の事業を各地区で把握し、事業スケジュールなどを調整しやすくするため、昨夏に始まった。今後は対象を40地区程度まで増やし、復興交付金の配分などに合わせて内容を更新する。村井嘉浩知事は25日の定例記者会見で「復興事業の加速化を図り、被災者に希望を持って生活再建してもらいたい」と述べた。

本記事では,宮城県における復興事業の進行状況の公開の取組を紹介.
2013年2月8日付の本備忘録でも記録した,同県の「復興まちづくり事業カルテ」の取組.実際の同カルテは,同県HPを参照*1
同カルテでは,気仙沼市(4地区),南三陸町(1地区),石巻市(4地区),女川町(1地区),東松島市(4地区),塩竈市(1地区),七ヶ浜町(2地区),多賀城市(1地区),仙台市(1地区),名取市(2地区),岩沼市(1地区),亘理町(2地区),山元町(2地区)と,「沿岸地域で,主要な住宅地整備が計画・実施されている区域を中心とした26地区」を対象に,「都市再生区画整理事業」「防災集団移転促進事業」「災害公営住宅整備事業」「市街地再開発事業」「津波復興拠点整備事業」 「漁業集落防災機能強化事業」「その他水産業基盤関係事業」「道路事業・街路事業」「河川事業」「海岸事業」「公園事業」「漁港事業」「下水道事業」「農地整備事業」「その他事業(鉄道等)」の15事業に関して掲載.もちろん「記載されている内容については,今後変更になること」や「事業の内容」は「各事業主体が住民説明会等を通じて住民の方に周知している内容が,本カルテより優先」されることも付記されている.
「まちづくりの時間軸」*2を提示する同カルテ.「今後」の「変更」後も,策定した26地区のカルテを公表しつづけてもらえると,復興事業の結果も県民が感じる復興感という成果に結びつくことになりそうか.一枚一枚のカルテは,要確認.

*1:宮城県HP(分類でさがす震災・復興震災・復興復興関連情報 )「復興まちづくり事業カルテについて

*2:林敏彦『大災害の経済学』(PHP,2011年)210頁

大災害の経済学 (PHP新書)

大災害の経済学 (PHP新書)