今月8日に締め切られた東京都の今年度職員採用試験(大卒程度対象)への申し込みが、15年ぶりに1万人を超えたことが分かった。不況に伴う公務員人気に加え、専門試験や論文に代えてプレゼンテーションなどを課した新方式の試験に応募が殺到し、全体数を押し上げた形だ。
 都の大卒程度を対象にした採用試験には98年度に1万943人の応募があったが、翌年から採用数が減ったため6000〜7000人台で推移。03年度から再び採用が増え始め、昨年度の応募は9359人だった。今年度の採用枠は、前年度より57人少ない696人。事務系450人のうち50人は新方式で採用することになっており、ここに38・6倍の1928人が応募した。全体の応募は前年度比7・9%増の1万96人で、倍率は14・5倍だった。都人事委員会は「新方式試験は公務員対策の勉強が必須ではないため、民間企業狙いの学生も申し込んだのではないか」と分析している。【竹内良和】

本記事では,東京都における職員採用(1類B)への応募状況を紹介.同都HP*1を確認すると,以下の通り.

試験区分 採用予定者 申込者 倍率
行政職(一般方式) 400 5,696 14.2
行政職(新方式) 50 1,928 38.6
技術 155 1,215 7.8
その他職種 91 1,257 13.8
合計 696 10,096 14.5

2012年度は,行政職では499名の採用予定に対して6,737名の応募と13.5倍.2013年度からは,2012年6月27日及び同年12月6日付の両本備忘録で記録した同都の職員採用方式の導入もあり,単純には比較はできないものの,一般方式と新方式をあわせると450名の予定に対して7,624名の応募があり,16.94倍となる.採用職員数減の一方での応募人数の増を反映した倍率とも考えられそう.
「新たな仕組み」*2を用いた職員採用により,採用後の職員の多様化を生むか(そもそも現在も多様かもしれませんが),または「制度的な同型化」*3に至るのか,2つの入口をもつ同一職の採用後での職員としての活動も,要経過観察.

*1:東京都HP(これまでの報道発表2013年4月)「平成25年度東京都職員1類B(大卒程度)採用試験の申込状況について

*2:稲継裕昭『自治体ガバナンス』(放送大学教育振興会,2013年)126頁

自治体ガバナンス (放送大学大学院教材)

自治体ガバナンス (放送大学大学院教材)

*3:曽我謙悟『行政学』(有斐閣,2013年)194頁

行政学 (有斐閣アルマ)

行政学 (有斐閣アルマ)