陸前高田市の戸羽太市長は24日の市議会全員協議会で、再建予定の市役所の位置を6月中に決める方針を示した。5月中旬に複数案を示し、全世帯アンケートを実施。当初は時間をかけて議論する方針だったが、市内の土地区画整理事業の9月の事業認可に合わせ、公共施設の配置を含めた土地利用計画を定める。市役所位置をめぐってはさまざまな意見があり、丁寧な議論が求められる。
 戸羽市長は「もう少し、街の形が見えてから時間をかけて決めたいとしていたが、土地区画整理事業を進めるためにも議論いただきたい」と説明した。市役所位置をめぐっては、2011年は高田小南側を候補地としたが、住民から高台を求める声があり再検討。昨年8月には、高台に近いかさ上げ予定地の荒町付近を候補地とした。さらに住民から、安全性への疑問などがあり、戸羽市長は「少しまちの形ができた時点で議論した方がいい」としていた。

本記事では,陸前高田市における庁舎の位置に関する検討方針を紹介.
同市の庁舎設置に関してはまず当初は「今回の浸水域内」であった「高田小学校の前」の案があり,これは同地に「市役所の土地があり」,また「12.5メートルの堤防を整備した場合」には「現在の地盤高で既に7メートルということ」,そのため同地へ「市役所を設ければ、避難ビルとしての活用も図れる」*1こともあり,同地が候補地としても考えられていた.2011年11月9日付の同紙によると「市民から「万一を考えて高台に設置すべき」などの声が上がったことを受けて」,第4回の「震災復興計画検討委」員会の場で再検討されたことを報道*2.その後,2012年8月25日付の同紙によると,「同市高田町のかさ上げ地域」*3へと候補地としたことも報道されている.
また「平成24年9月定例議会」の内容を紹介した2012年9月に発刊された『りくぜんたかた市議会だより』第82号を確認すると,「荒町付近」で市役所の設置案に対しては,同市議会からの質問もあり,これに答えるにように同市での考え方が説明されている.まず,「現在の場所」で設置することに対しては,現在の「プレハブ4棟では会議室も足りず非常に手狭である」こと,そして「現在の場所に市役所を建てる場合は一旦,壊すことになり,その間の機能がなくなる」ことから新しい地で設置とすること.そして,「商工会の要望もあり,市街地に市役所」*4を置くとの考え方が説明されている.
2013年3月に発刊された『りくぜんたかた市議会だより』第84号を確認してみると,同地「より高い場所を望む考え方がある」ことも述べつつ,「一方,海岸の低い場所を望む意見」もあることを紹介.そして,「商工会からは中心市街地への設置を求める要望書が二度にわたり提出されている」ことも紹介しながら,結論としては,「早急に結論を出す必要はないと考えており,今後かさ上げ事業が進み,町の姿見えてきてから議論をしていきたい」*5とのスケジュール感が提案されている.本記事では,「市内の土地区画整理事業の9月の事業認可に合わせ」るためにも「再建予定の市役所の位置を6月中に決める方針」とされたことを紹介.
「特別多数決」*6を要することになる庁舎の設置.今後の具体的な候補地の確定過程は,要経過観察.