今治市は6月3日から、始業前に市職員らが行っているラジオ体操をやめ、今治市の主婦らが考案して県内外で人気が広がっている「今治タオル体操」に切り替える。特産のタオル1本でできるため、職員の健康増進はもちろん、名産品の需要拡大に結びつけよう、というのが狙いだ。30日は職員ら約80人が本番に備えた講習に臨み、タオルを手に汗を流した。(北澤慶介)
 タオル体操は、市の勉強会に参加した主婦、渡辺小百合さん(48)らが考案。主婦らとともに2000年、「今治タオル体操愛好会」を結成し、普及に努めてきた。今年4月末、DVD付きの解説本(1300円)が全国発売され、渡辺さんは本を菅良二市長に贈った。その際、渡辺さんは「朝のラジオ体操に替えて、ぜひタオル体操をやってほしい」と菅市長に提案。菅市長が快諾した。
 市役所では2011年12月から毎日、始業前の午前8時20分から5分間、職員らの自由参加でラジオ体操を行ってきた。30日は終業後の午後5時半、市役所に隣接する市民会館で講習が行われ、菅市長や職員らがタオルを手に参加。愛好会の渡辺さんら8人が、赤いユニホーム姿で講師として駆けつけ、「アキレスけんを伸ばして」「あごをもっと前に」と壇上から指導した。
 体操は1回約3分間で、17種類の運動があり、足を上げたり、腕を伸ばしたりと体全体を使う。準備運動に続き、1回目が終わる頃には参加者はうっすらと汗を浮かべていた。ワイシャツが汗まみれになった菅市長は「思った以上の運動量だ。しっかり続けて、今治タオルの普及にもつなげたい」とさっぱりした表情。初めてタオル体操をした臨時職員の女性(28)は「体重が減ったような気がする」と笑顔で汗をぬぐった。渡辺さんは「体にとてもいいのでぜひ続けてほしい」と話していた。

本記事では,今治市における職員の健康増進の取組を紹介.「今治タオル体操」を始業前に行なわれる模様.
同体操に関しては下名全く存じておらず,同市HPを確認してみると,同市の男女共同参画推進室内のサイトで紹介.なぜだろうと思い読み進めると,同体操誕生の経緯が次のように紹介されている.つまり,同市と「男女共同参画を推進するための方策を話し合っていた今治女性会議と男女共同参画の勉強を行っていた今治市生活文化女性塾」が,1999年に「合同で勉強会を開催」し「「女性のパワーで今治を盛り上げていこう」と検討」された結果「誕生」.そして,同タオル体操の「創作とその普及活動を行う団体」として,2000年の「秋に「今治タオル体操愛好会」」を発足し,活動」*1されている(なるほど,結構,蓄積があるのですね).
同愛好会HPによると同体操には「いすに座って」行なう「座位編」,「立ったまま」で行なう「立位編」,そして,「ロック調の曲に合わせて」行なう「ニューバージョン編」*2がある,という.同会では「ラジオ番組」を放送する「広報・啓発活動」や「保険施設,各種団体の会合など」での「出前体操・イベント参加」を行ない,「 毎年10月ごろに開かれる今治タオルフェア」では「今治タオル体操コンテスト」を開催されている.同コンテストでは「動作の正確差を競う「規定部門」と「タオルを使って自由な振り付けによる独創性などを競う「創作部門」の2つの部門」があるという.また,「タオル体操を習ってみたい方のため」の「研修事業」*3にも取り組まれている.同市でも2012年1月24日に「市職員を対象とした」「講習会」*4が開催.
本記事によると同市では「2011年12月から毎日」「始業前の午前8時20分から5分間」「職員らの自由参加でラジオ体操」が行なわれてきたなかで(他の自治体でもおこなわれているのだろうか),2013年6月3日からは同体操へ「切り替える」という.同体操も「自由参加」であるか否かは判然としないものの,例え「自由参加」であったとしても,同体操には「地場産品タオルのPR」*5の様相もあるとすれば,同市職員にとっては同体操を行なう「ソフトなコミットメント」*6ともなるだろうか.実際に同体操をされている風景をぜひ見てみたい.

*1:今治市HP(各課ホームページ市民まちづくり推進課)「男女共同参画推進室

*2:今治タオル体操愛好会HP「Q&A

*3:今治タオル体操愛好会HP「活動内容

*4:今治市HP(ようこそ市長室へ活動状況)「1月24日 「今治タオル体操」講習会

*5:前掲注3・今治市(1月24日 「今治タオル体操」講習会)

*6:池田新介『自滅する選択』(東洋経済新報社,2012年)229頁

自滅する選択―先延ばしで後悔しないための新しい経済学

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