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現庁舎位置41％で最多　陸前高田市役所のアンケート（岩手日報2013年6月8日）

　陸前高田市は７日、市議会全員協議会で、新しい市役所建設位置に関する住民アンケート結果を公表し、４案のうち鳴石地区の現庁舎が４１％で最多だった。市は市議会や復興計画推進委員会の議論を踏まえて、今月中に位置を決定する。
　アンケートは市内全世帯と住田町の仮設住宅在住者、市外在住で市発行の「復興Ｎｅｗｓ（ニュース）陸前高田」を受け取っている世帯が対象で、５月１５〜３１日に行った。アンケートは８５０６部を配布し、回収率は４４・９％の３８２３部。回答は現庁舎（仮設）の鳴石地区が１５５５（４１％）、本丸公園入口付近の荒町地区が１１７７（３１％）、現高田小の下和野地区が８４９（２２％）、今泉地区が１５９（４％）、その他が８３（２％）だった。
　現庁舎を選んだ理由は「津波が来ても市役所の機能が果たせる場所」「利便性が悪くとも高台で安全が第一」など。本丸公園入口付近は「市役所周りに商店街があるのが便利」などだった。

本記事では，陸前高田市における庁舎の位置に関するアンケート結果を紹介．
2013年4月26日付の本備忘録で記録した，同市の新庁舎立地場所をめぐる検討過程．「市内全世帯と住田町の仮設住宅に暮らす市民、市外在住で市発行の復興ニュースを送付している世帯」に対するアンケートを2013年5月15〜30日の間で実施．同アンケートでは「高田町荒町地区（本丸公園入口付近）」「高田町下和野地区（現高田小学校）」「高田町鳴石地区（現市役所庁舎）」「気仙町今泉地区（今泉地区土地区画整理事業区域　先行地区）」の4地区案とそれぞれの「選定理由」と「備考」*1という，メリット・デメリットを提示．各候補地を選定する際には「市有地，又は土地区画整理事業区域内」にあり「用地確保の目途がたつ土地」であること，そして，「防潮堤の整備と市街地のかさ上げにより，県の津波シュミレーション上，東日本大震災クラスの津波でも浸水しない土地」であることが「前提」*2というとなる．アンケート期間中には，4カ所で「説明会」*3も実際．
公表された同アンケート結果は，同市HPを参照*4．配布数は8,506部に対して，回収数が3,823部と回収率は44.9％*5，加えて，「意見・要望等」*6が1,312件も寄せられている．結果，本記事でも紹介されているように，最も多くの住民から選択された候補地は「高田町鳴石地区（現市役所庁舎）」で41％（1,555名），次いで「高田町荒町地区（本丸公園入口付近）」が31％（1,177名），三番目が「高田町下和野地区（現高田小学校）」の22％（849名），最後に「気仙町今泉地区（今泉地区土地区画整理事業区域　先行地区）」が4％（159名）となる．なお，上記以外とする回答も2％（83名）ある*7．
現在庁舎があるという「現状維持バイアス（status quo bias）」*8か，「現実に即したものにアジャスト」*9された意見が寄せられた模様．仮に庁舎地に新築する場合，上記のアンケート時に提示された資料内にも明記されているように「本庁舎建設の間の仮庁舎が必要」となる．財源は勿論果たして，仮庁舎の庁舎をどのように確保することになるのだろうか．悩ましい課題．2013年6月9日付の毎日新聞では今後「市職員にもアンケートして決める」*10方針であることも紹介．今後の検討過程も要経過観察．