イトーヨーカ堂は30日、居住者の高齢化が進む東京・多摩ニュータウンで、4トントラックを用いた移動販売を始めた。2011年11月の長野県、ことし6月の北海道に続く取り組みで、今後、全国展開を目指す。
 多摩の移動販売は「イトーヨーカドー南大沢店」が実施。この日は団地の高齢者らが次々とトラックの荷台を改装した“店舗”に立ち寄り、食料品などを買っていた。無職宮崎政治さん(74)は「週に3回ほどバスで買い物に行っていたので、本当に助かる」と笑顔。つえを突いて歩いていた無職男性(72)は「陳列台の商品を見て選べるのがうれしい」と話した。

本記事では,多摩ニュータウンにおける買い物弱者支援の取組を紹介.
多摩ニュータウンでは「最も身近な位置」に近隣センターとして,「各住区の中央」に「郵便局や交番,コミュニティセンター,保育所,老人福祉館などの地域公共施設」と「商店街」が設置.しかし,「商店街」の「衰退」*1が「近隣センター内のスーパーマーケットの撤退」*2の現状にある.買い物行動は用途により「場所選択」がされていることが観察されてはいるものの,年代別では「65歳以上においては各品目で商店街は一定程度利用されている」*3現状もある.このように65歳以上の方々の近隣地域での購買指向がある反面,一方での買い物場所の限定と移動困難性もある.そこで,同社以外にも,多摩市を対象に「京王電鉄株式会社」では,経済産業省による「 買い物弱者対策支援事業」の「二次公募」「採択事業者」*4として,「市内で勾配に囲まれた団地の高齢者等に対して移動販売車事業」を実施する.本記事に紹介されている同社を始めとした,競合他社が幾つ販売を開始されるのだろうか.今後の販売状況は要観察.

*1:上野淳・松本真澄『多摩ニュータウン物語』(鹿嶋出版社,2012年)164頁

多摩ニュータウン物語―オールドタウンと呼ばせない

多摩ニュータウン物語―オールドタウンと呼ばせない

*2:前掲注1・上野淳・松本真澄2012年:168頁

*3:前掲注1・上野淳・松本真澄2012年:76頁

*4:経済産業省HP(ニュースリリース2013年度一覧買い物弱者対策支援事業の二次公募採択事業者を決定しました)「 買い物弱者対策支援事業の二次公募採択事業者」(平成25年5月22日),3頁