福井県立図書館は26日、2012年度の入館者数と貸出冊数が人口比でともに全国1位になったと発表した。現在の福井市下馬町に移転した03年度以降、入館者数は10年連続の1位、貸出冊数は10年度以来2年ぶり2度目の首位となった。
 社団法人日本図書館協会の「都道府県図書館の統計」に基づく。若狭図書学習センターの利用を含めた入館者は延べ71万4699人で、人口の89・0%が利用した計算となる。2位の岡山県立図書館(入館107万8321人)は55・8%で、大きく引き離している。
 貸出数は81万3836冊で、1人当たり1・013冊借りたことになる。1冊を超えたのは全国で本県だけだった。県立図書館によると、読み聞かせや健康相談イベントをきっかけに子育て関連本の貸し出しが増加。郷土作家への関心が高まっているほか、昨年11月から今年3月にかけて展開した移転10年記念行事で来館者が増えたという。人口比だけでなく実数で見ても、入館者数は全国4位、貸出冊数は6位と上位。県立図書館は「読書好きの県民が多いことが数字に表れており、子どもの高い学力にもつながっているのでは」とみている。市町の図書館を通じて県立図書館の本を貸し出したり、携帯電話から予約を可能にするなど、利用者の立場を踏まえたサービスも充実させてきた。職員は「探している本や要望があれば、司書がいつでも対応する体制を整えている。今後もどんどん活用してほしい」と話している。

本記事では,福井県における県立図書館への入館者数と貸出冊数を紹介.
起きがけの寝ぼけ頭で同記事のリードを斜め読んだため,2013年8月22日付の山陽新聞では,岡山県(立図書館)が「来館者数と個人貸出冊数が8年連続で1位」*1と報道との相違がよく整理ができず,よくよくリードと同記事を読み返してみると,両数値ともに「県民一人当たり」で見た場合には「全国1位」とのこと.なるほど.
本記事では「読み聞かせや健康相談イベントをきっかけに子育て関連本の貸し出しが増加」とも紹介.なるほど,「図書の貸出しに止まらない様々なサービスを提供」*2することが,図書館利用を促すことにもなったのだろうか.本記事で紹介されている社団法人日本図書館協会による「都道府県図書館の統計」*3では総数のみが公表されており,都道府県別の数値が公表されてはいない.そのため実際の値は確認できず.残念.他の都道府県立図書館での利用状況の増減とその要因も要確認.

*1:山陽新聞(2013年8月22日付)「来館、貸出数、購入の3冠守る 12年度調査で岡山県立図書館

*2:菅谷明子『未来をつくる図書館』(岩波書店,2003年)219頁

未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書)

未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書)

*3:社団法人日本図書館協会HP(図書館について日本の図書館統計)「都道府県図書館の統計」