2013年9月2日から5日まで,高知大学で集中講義を担当しました.この4年間で,調査での訪問分1回を含めると,5回目の高知滞在となります.7ヶ月ぶりの高知滞在です.
流石に5回目となれば,高知市内では初見も限られてきました.そういえば,映画「県庁おもてなし課」のセットが県庁内で展示されていたなあと思い出し,東京を離れるまえに展示時間を確認.すると,16時30分まで,とありました.また最終入場が16時までともあり,高知空港到着が15時15分の予定からするとギリギリだめかなあ,と思いつつ,高知空港到着後にとにもかくにも県庁へ.

到着は16時5分と5分超過.役所的にはダメでしょうと思いつつ,入館してみるとどうぞどうぞと,「おもてなし」精神.流石,高知「家」でもあります.セット版の「おもてなし課」は,大部屋ならぬ,ぎっちりと詰まった小部屋のなかでシマがつくりられており,主人公の掛水さんと明神さんの席も,地方債同意基準にいう一人当たりの執務面積よりもなんだか窮屈そう(実際の役所さながらの,書類の山のせいでしょうか).県庁を飛び出したくなるのがよくわかる執務室(セット)でした.

集中講義では,2日から4日までは通常半期分を3日間でまとめて語り尽くし,4日目は試験を実施しました.そのため1日当たり5コマ8時間の講義です.
初日に教室にいくと教壇が妙に広くて高いまるで小劇場の舞台のようでした.もちろん,そんな舞台には黒板もホワイトボードが備え付けられているわけもありません.「おいおい,ケーシー高峰か」と一人でツッコミながら可動式のホワイトボードを背負いながら,3日間,講義.

一日8時間を話し続けるにはさすがに立ちつづけるのは辛いものです.「ではまあ,座って話します」と学生さんたちに断り,いざ座ってみると演台もやたら高いことに気づきました.まるで子どもが番台に立っているように顔だけがひょっこり出ました.そもそも説得力が無い講義が話せば話すほど説得力のなさが度合いが増していく感じました.そんなこともあり,結局は3日間毎日8時間の立ち仕事. 
毎日の講義終了後は疲れ切っていたのか,宿泊先に戻り,とにかく休むという,余り高知市内の観察もすることなく過ごす日々.くわえて,ほぼ毎日雨.朝,BSで「あまちゃん」を見る前に各局の天気予報を見ていると「四国は台風上陸」と報道.「あれまあ,四国は大変そうだなあ」と思いつつ,「あまちゃん」を見終えてから,急いで外に出てみると激しい大雨.「ああここ高知は四国だった」と,疲れが積もり積もって,下名自身がどこで講義していたのかも失念していました.何ともぼけぼけで始まった一日.教室でも雷で電気が落ちたり,マイクが切れたりと,テンヤワンで過ごした最終日も何とか終了.
講義篇を終えた最終日.路面電車を降りて振り返ると,高知の夕暮れの空に大きく架かる二重の虹.講義の疲れも安らぐ一瞬でした.