岡山県総社市は11日、生活習慣病を予防するための特定健診(メタボ健診)を受診していて、保険診療を受けなかった健康な世帯に現金1万円を支給すると発表した。
 市はこれまで1年以上保険診療を受けていない世帯を表彰し、やかんやモップなどを贈っていたが、市民にもっと特定健診を受診してもらおうと新たに条件を加え、現金支給を決めた。市は「物品による表彰制度は他の自治体でもあるが、保険料の一部キャッシュバックとなる現金の支給は全国初だろう」としている。

本記事では,総社市における国民健康保険からの「キャッシュバック」の取組を紹介.同取組は,現在のところ同市による記者会見動画のみで内容が確認できる.同動画参照*1
同取組では,「国民健康保険の加入者に対して1万円のキャッシュバック方式」を実施するもの.具体的には「国民健康保険に加入」をしており「1年間全く国保利用していない方」「40歳以上」で「家族全員が国保による特定検診を受けていて」,「国保の保険料を全納」している「1世帯に1万円を還元する」*2取組.同記者会見によると,キャッシュバック分の「財源調達」*3は一般会計から支払われる模様.このように国保料は加入者が「一般会計で優遇される」ことには「反対」「正なるやり方ではない」との見解を示されてはいるものの,むしろ,同取組を通じて国保の「一般会計からの繰り入れを阻止すること」が目的,という.そのため,同取組実施後に,お国民健康保険財政の保険料による「プライマリーバランスが保てなく」なり「一般会計からの繰り入れやむなし」となった場合には,同取組自体が「理に叶わなくなる」ため「やめざるを得ない」*4予定ともある.
2013年9月11日付の毎日新聞によると,2011年度に保険診療の未受診世帯は「284世帯」.「このうち特定健診の対象となる40歳以上74歳以下の被保険者は207世帯」であり「特定健診を受けたのは16世帯19人(8%)」*5と報道.実際にどの程度の世帯が「還元」を受けることになるのだろうか.要確認.

*1:総社市HP(市政広報・広聴:動画で見る「そうじゃ

*2:前掲注1・総社市(記者会見2013年9月)

*3:礒崎初仁『自治政策法務講義』(第一法規,2013年)121頁

自治体政策法務講義

自治体政策法務講義

*4:前掲注1・総社市(記者会見2013年9月)

*5:毎日新聞(2013年9月11日付)「総社市:1万円支給 メタボ健診受け、国保診療ない世帯に