武雄市は公文書の電子化の取り組みを始めた。東日本大震災では、多くの行政文書が津波に流され、破損、遺失したことを受け、電子化で災害に強い文書管理を目指す。本年度中に2012年度の公文書を電子化し、可能なものはインターネットで一般公開する。
 放火事件で公文書が消失した例もあり、将来的に市役所新庁舎での効率的な管理の観点から電子化を決めた。バックアップや、ネット上にデータを保存するクラウド機能を活用してリスク管理を強化する。電子化で検索性が向上し、業務の効率化が期待できる。公文書はスキャナーで文字を読み取り、テキスト検索が可能になる。13、12年度の文書は約1100万枚、11年度以前の保存文書は約600万枚。11年度以前の公文書は、作業の進ちょくを踏まえて電子化する。20日から電子化実験作業に着手。10月まで作業時間や運用方法、公文書の取り扱いに関する研究を進め、11月以降は全部署の作業を始める。山田恭輔・市フェイスブック・シティ課長は「公文書は貴重な市民の財産。電子化で保全に努めたい」と話す。

本記事では,武雄市における公文書の電子化の取組を紹介.同取組に関しては,同市FBを参照*1
同市では「東日本大震災による多くの公文書の滅失」「他の自治体庁舎で発生した放火事件による公文書の消失」「「新庁舎」における効率的な公文書管理の観点から」「公文書の電子化」*2を実施.20139月20日に「スキャナを活用して公文書電子化の作業のデモ」を行い,「今後」は「本庁での取り組みを行う」予定.2013年度中には「平成24年度の全文書の電子化を完了する予定」*3という.電子化のために一時は手間を要するものの,長期的には文書処理はもちろん,ひいては行政活動の「生産性向上」*4にも結びつきそう.2012年度の公文書に加えて,その対象の遡及が進むとさらに興味深そうな取組.

*1:武雄市FB「【公文書電子化開始!】9月20日

*2:前掲注1・武雄市(【公文書電子化開始!】9月20日

*3:前掲注1・武雄市(【公文書電子化開始!】9月20日

*4:Dunleavy,Patrick and Leandro Carrera(2013),Growing the Productivity of Government Services,Edward Elgar.p.276.

Growing the Productivity of Government Services

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