◆区再編案15年度までに
 浜松市の第四次行財政改革推進審議会(行革審)は二十一日、鈴木康友市長に答申書を提出、七区ある行政区の再編について、新工程表を作り、遅くとも二〇一五年度までに具体案を示すことを求めた。市の施設の維持管理費削減に向け、具体的な目標を定めることも提言した。
 答申書は、(1)行政区再編や総人件費の削減(2)補助金の見直しといった市政全般にかかわる改革(3)市の施設の再編・廃止や遊休財産の売却を含む資産経営の効率化(4)十五ある外郭団体の統廃合や運営見直し−など六十七項目にわたり提言した。
 行政区再編は、市が一一年十二月に示した工程表で一四年度までに方向性を出すとしていたが、市民の意向を調べるアンケートが行われていないなど「取り組みが遅れている」と批判。今後は工程表を作り直し、遅くとも市合併から十年となる一五年度までに結論を出すよう促した。施設削減では、全施設の26%にあたる三百八十三施設を一四年度までに減らす目標を必ず達成するよう市に要求。維持管理費の削減額は、市が予定する年間三億円では、施設削減数のわりに少ないと指摘。実質的な財政効果が小さいとして、効果を高めるよう求めた。総人件費に関しては、七年後の二〇年度には現行より10%以上削減するとした市の目標を必ず達成することなどを迫った。
 行革審会長の御室(みむろ)健一郎商工会議所前会頭は、市に対し「計画・目標への執着に民間と温度差がある。達成しなければ、最悪のケースでは組織存続の危機になる」とくぎを刺した。行革審は〇五年に設置され、経済界などの民間有識者委員が市長の諮問に基づき二年ごとに答申してきた。第四次は来年一月に任期が終わる。現行の行革審の継続には市議会側に慎重意見があることから、鈴木市長は行革審のあり方の見直しを検討している。

本記事では,浜松市における行政区再編に対する行財政改革推進審議会の答申を紹介.
2009年7月12日付同年8月20日付2011年12月17日付の各本備忘録で記録した,同市の行政区の「合併(consolidation)」*1による再編の検討.
第4次となる同審議会では,2012年12月に中間答申書を提出.同中間答申内では行政区の再編の「課題」として,「区再編に関する市民への説明が不十分」であること,「区再編の工程表に沿った取り組みが進んでいない」*2とことを指摘.本記事では,今回の答申でも「今後は工程表を作り直し,遅くとも市合併から十年となる一五年度までに結論を出すよう促した」ことが報道.なお,現在のところ,同審議会HP*3では同答申は公表されていない模様.
一方で,本記事では同審議会の存続の方針が検討されていることも紹介.行政区の再編が具体化されるのか,審議会の設置が維持されるのか,今後の両者の検討状況は,要経過観察.

*1:Nelles, Jen.(2012).Comparative Metropolitan Policy: Governing Beyond Local Boundaries in the Imagined Metropolis,Routledge:p.3.

*2:浜松市HP(浜松市行財政改革推進審議会浜松市行財政改革推進審議会 提言・答申等)『浜松市行財政改革に関する中間答申書』(浜松市行財政改革推進審議会,平成24年12月20日)6,7頁

*3:浜松市HP(浜松市行財政改革推進審議会)「審議会開催情報