総務省は24日、人口減少や老朽化で不要になった公共施設の統廃合を進めるよう全国の地方自治体に要請することを決めた。解体する施設や、補修など長寿命化を図るケースを整理した管理計画づくりを促し、策定費の半額を2014年度から特別交付税で支援する。
 維持管理コストを節約し、将来的な自治体財政の悪化を防ぐ狙いがある。管理計画には、公共施設の現状や将来的な統廃合の見通しを明記。施設数や床面積に関し、具体的な削減の数値目標を盛り込むよう求める。

本記事では,総務省における地方債の公共施設の解体財源への利用可能方針を紹介.2013年6月19日付及び同年12月4日付の両本備忘録で記録した同取組.2014年度の地方財政対策による措置が確定されたことを紹介.
「公共施設等の総合的な管理による老朽化対策等の推進」と題される同取組.「過去に建設された大量の公共施設等の更新時期に対応するため」自治体に対して「公共施設等の総合的かつ計画的な管理の推進を要請」するもの.具体的には,「公共施設等総合管理計画」との名称が想定されている「必要な計画」を「作成に要する経費」に対して「特別交付税措置を実施」と,「計画に基づく公共施設等の除却」への「地方債の特例措置を創設」*1する内容.
より詳細な内容は次の通り.まず,「公共施設等総合管理計画」では,「公共施設等の状況(数,延べ床面積等)」「財政状況,人口動態など」の「公共施設等の現況及び将来の見通し」と,「統合・更新・長寿命化等に関する基本的な考え方」や「総量等に関する数値目標など」公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本的な方針」の「作成を要請」される.そして,同「計画の策定に係る支援」は「人口動向や財政・施設の状況等の地域の実情を踏まえ,かつ,全施設類型にわたる横串の計画を作成することができるよう」な「留意事項等を助言」するとともに,「計画作成に要する経費」として「措置率1/2」の「特別交付税」が「措置」」*2される.
もう一つの「計画に基づく公共施設等の除却」には「地方債の特例措置を創設」する.具体的には,2014年度「以後の当分の間」を「特例期間」と置き,同期間では 「地方債の充当率」を「75%(資金手当)」として「地方債計画」に「300億円(一般単独事業(一般)の内数)」を「計上」*3する.
「もはや何でもかんでも行政がお金を出して対応する(できる)時代ではない」*4ものの,仮に同財政措置を通じた「政策誘導」*5として「計画に基づく公共施設等の除却」が進められる場合,個々の自治体での「計画的な管理」体制が確保されることが想定されそう.一方で,「当分の間」での財政措置の制約のもとで「公共施設等の除却」は自治体総体は優先順位はどのような自治体から進むのだろうか.要経過観察.

*1:総務省HP(広報・報道報道資料一覧平成26年度地方財政対策のポイント及び概要)「平成26 年度地方財政対策の概要」(総務省自治財政局,平成25年12月24日)10頁

*2:前掲注1・総務省(平成26 年度地方財政対策の概要)10頁

*3:前掲注1・総務省(平成26 年度地方財政対策の概要)10頁

*4:小島卓弥編著『公共施設が劇的に変わるファシリティマネジメント』(学庸書房,2012年)229頁

*5:佐々木寿美『現代日本の政策形成と住民意識』(慶応義塾大学出版会,2005年)130頁