滝沢村は27日、役場裏の村公民館で閉庁式を行った。村として職員そろっての業務はこの日が最後。124年の村制の歴史に思いをはせながら、1月1日に誕生する滝沢市の飛躍に願いを込めた。
 約300人の職員を前に柳村典秀村長は「先人が残した伝統文化を引き継ぎ、まちづくりを推進することが私たちの使命。1月6日は市職員として笑顔で市民を迎えてほしい」と村長として最後の訓示をした。2013年度採用の職員13人が登壇し、農林課の石井宏樹主事(23)が「住みよい市を住民は期待している。市移行で拡充された権限を生かし、業務に当たる」と決意表明。児童福祉課の北上花恵主事(23)は筆と墨で「祝滝沢市誕生」と書き上げ、新市への思いを表した。。

 滝沢村役場で28日、正面玄関の表示を「村役場」から「市役所」に変える作業が、村内の業者によって行われた。
 1文字ずつ取り付けられているため「村」と「場」の2文字を付け替え。壁面の塗装をきれいにしたり、文字も磨き直し、1時間半弱で作業を終えた。1982年から使う庁舎にしっかりと固定され、幕で一時的に隠された「新市の表札」。31日深夜のカウントダウンイベントでの除幕を待つ。

 滝沢村が来月1日、市制移行し、県内からまた一つ村が消える。市町村制が施行された1889(明治22)年以前、600を超えていた村は県北・沿岸の九戸、野田、普代、田野畑の四つだけとなる。
 滝沢市誕生により、県内33市町村の内訳は14市15町4村。滝沢が抜け岩手郡は雫石、葛巻、岩手の3町に変わる。現行の地方自治法下で、単独で村から市へ移行するのは滝沢が県内初。町を含めると、単独市制は1958年に江刺市となった江刺町以来56年ぶりだ。

本記事群では,滝沢村における閉町式の開催と市への移行作業を紹介.
2011年1月19日付2012年10月14日付同年12月17日付2013年7月11日付の各本備忘録で記録してきた,「市の成立要件」*1を満たす同村から市制への移行過程.同村HPでも紹介されているように,2013年12月27日に「閉町式」*2が開催.
市制に移行に伴い,同村民には『市制ガイドブック』*3を配布されている.同ガイドブックを確認すると,「生命保険・損害保険・有価証券などの住所変更」「自動車損害賠償保険証の住所変更」「村の国民健康保険を除く」「健康保険の住所変更」「クレジットカード」では「各会社などに」「要確認」』*4,「村内の小中学校以外の学校(私立,高校,大学など)」では「各学校に」「要確認」,「村内幼稚園」は「各幼稚園に」「要確認」*5,「不動産所有者の住所変更」や「抵当権,借地権などの権利者の住所変更」「滝沢村以外にある会社や法人の役員などの住所変更」では「場合によって必要」*6となる以外では,思いのほか移行に伴う「住所表示の変更」と「住所変更に伴う各種手続き」の観点からは,住民への新たな負担は想定されていない模様.村制から市制へと変われど行政は継続する,ということなのだろうか.移行後も訪問してみたい.

*1:武岡明子「第4章 市区町村と都道府県」柴田直子・松井望編著『地方自治論入門』(ミネルヴァ書房,2012年)98頁

地方自治論入門

地方自治論入門

*2:滝沢村HP(滝沢村写真で見るニュース(2013年))「滝沢村役場・閉庁式〜新たなる飛躍目指し決意

*3:滝沢村HP(たきざわ行政情報行政運営市制施行の取り組み)『市制ガイドブック 平成26年〓月1日「滝沢市」誕生!

*4:前掲注2・滝沢村(市制ガイドブック 平成26年〓月1日「滝沢市」誕生!)2頁

*5:前掲注2・滝沢村(市制ガイドブック 平成26年〓月1日「滝沢市」誕生!)5頁

*6:前掲注2・滝沢村(市制ガイドブック 平成26年〓月1日「滝沢市」誕生!)4頁