「銃器や刃物の携帯禁止」「異様な服装は認めません」‐。兵庫県が公開する審議会や協議会は、傍聴者に対する過剰ともとれる禁止項目を設けている。古い規定が形骸化したとみられ、時代錯誤や不必要な表現も目立つ。同様の決まりは神戸市など県内の自治体や国にもあり、傍聴者に対する行政側の姿勢の表れとも言えそうだ。
 政策に専門家の意見を反映するため、県は審議会などの付属機関を設けている。神戸新聞社の情報公開請求では2012年度に知事部局が公開した審議会などは42。このうち7割が傍聴者の順守事項を定めていた。持ち込み禁止は銃器のほか、ラッパやヘルメット、かさ、映写機など。帽子やオーバーコートの着用を禁じる項目も。「異様な服装の禁止」や「みだりに傍聴席を離れない」など、禁止の基準があいまいな文言もあった。傍聴者に飲食を禁じる一方で、審議する委員にはお茶を出し、職員がペットボトルを持ち込むこともある。県庁を含む公共施設での喫煙を条例で禁止しているにもかかわらず、「喫煙禁止」を明記した審議会も。子連れの傍聴を制限する内容も目立った。県によると、規定は審議会ごとに定め、不適切な項目が残るのは当時の議会傍聴規則などを機械的に参照したためとみられる。禁止項目を細かく掲げる会がある一方、順守事項を設けず、自由に傍聴できる例もあった。
 「運用面で傍聴者を排除するものでは決してない」と県の担当者。しかし、12年度の審議会などのうち「傍聴者ゼロ」はほぼ7割を占めるなど低迷している。(三木良太

本記事では,兵庫県における審議会等の傍聴規定を紹介.
同紙による情報公開請求の結果を紹介する本記事によると,傍聴による「一般市民に開かれている」*1審議会でも,「兵庫県議会傍聴規則」*2からの参照を経て,個別の審議会では傍聴の禁止規定が異なる模様.なるほど.多様な禁止規定に至った経緯は,要確認.

*1:ジョン・ギャスティル,ウィリアム・M・キース「(時々)話したがる国民」ジョン・ギャスティル,,ピーター・レヴィーン『熟議民主主義ハンドブック』(現代人文社,2013年)5頁

熟議民主主義ハンドブック

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*2:兵庫県HP(兵庫県議会:議会からのご案内)「傍聴の案内」)