埼玉県は5日、首都直下地震などに関連した「震災都市復興の手引き」を公表した。大規模災害からの復興に必要な街づくり関連の作業などをまとめた。関連業務を事前に整理し、災害発生後に速やかに対応する狙い。県は10日に説明会を開き、県内市町村職員に手引に基づいた災害への備えを呼び掛ける。
 手引は200ページ以上あり、人命救助や物資供給などの災害初動対応とは別に、都市計画の観点から必要な業務をまとめた。災害発生前と発生後の2部構成。
 災害発生前編では、県が東大と共同で2009年から取り組む「復興まちづくりイメージトレーニング」を柱とする。県や県内市町村の職員を対象に、建物被害調査や建築制限区域の設定などの流れを研修する事業。架空の被災地を設定し、生活再建や都市復興の道筋をシミュレーションする。県は年1回のペースで同事業を行い、事前の準備に必要な情報を県内市町村と共有する。
 災害発生後編では、被災自治体の復興計画づくりの参考にしてもらうよう、県の都市復興の方向性を示した「県復興方針案」を策定した。二度と同じ被災を繰り返さない都市構造に再建することや、人口減少社会を見据えて「生活機能の維持・向上を目指した集約型都市構造の形成」を県として目指すことを明記したのが特徴。建築基準法都市計画法に基づく被災直後の初動対応業務もとりまとめている。

本記事では,埼玉県における「埼玉県震災都市復興の手引き」の策定を紹介.同手引きは,同県HPを参照*1
「壊滅的な大惨事を不可逆」*2と捉え,同県と同県に位置する市町村の「職員向け」に,「平時に行うべき事前の取組を提案」する「事前の取組編」*3と「発災後の復興に向けた手続きなどをまとめた」「発災後の取組編」*4の2つの手引きを作成.同手引きをもとに,事前及び事後の取組に係る「金銭的価値」の「特定」*5も,今後は各自治体で進められるのだろうか.要確認.

*1:埼玉県HP(組織でさがす都市計画課復興準備の取組)「埼玉県震災都市復興の手引き

*2:キャス・サンスティーン『最悪のシナリオ』(みすず書房,2012年)206頁

最悪のシナリオ―― 巨大リスクにどこまで備えるのか

最悪のシナリオ―― 巨大リスクにどこまで備えるのか

*3:埼玉県HP(組織でさがす都市計画課復興準備の取組埼玉県震災都市復興の手引き)「埼玉県震災都市復興の手引き【事前の取組編】(第1版)」(埼玉県 都市整備部,平成26年2月)

*4:埼玉県HP(組織でさがす都市計画課復興準備の取組埼玉県震災都市復興の手引き)「埼玉県震災都市復興の手引き【発災後の取組編】(第1版)」(埼玉県 都市整備部,平成26年2月)

*5:前掲注2・キャス・サンスティーン2012年:292頁