新藤義孝総務相は22日、人口減少や老朽化で使われなくなった公営住宅や学校といった公共施設を減らすため、数値目標を盛り込んだ「総合管理計画」をつくるよう全国の自治体に正式に要請した。維持管理コストを減らし、自治体財政を健全化する狙い。
 新藤氏は自治体への通知文書で「公共施設の適切な管理は、将来の街づくりや国土強靱化にも役立つ」と呼び掛けた。計画は、自治体庁舎や廃棄物処分場などあらゆる公共施設を対象とし、10年以上の長期的なものとする。老朽化の程度、利用者数などを総合的に判断し、廃止施設と修理して長く使う施設を区別。削減施設の数値目標を決めてもらう。

本記事では,総務省における自治体の「公共施設等総合管理計画」策定要請の取組を紹介.2013年6月19日付同年12月4日付同年12月26日付の各本備忘録で記録した同取組.同計画の策定を要請する技術的助言の内容は,同省HPを参照*1
同要請は,「厳しい財政状況が続く」ことに加えて「今後.人口減少等により公共施設等の利用需要が変化」すると「予想」されると見立て,「早急に公共施設等の全体の状況を把握し,長期的な視点」から「更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行う」ことで,「財政負担」の「軽減・平準化」や「公共施設等の最適な配置」を「実現することが必要」*2との認識に基づき発出.
また,具体的な計画を策定するための指針は,「公共施設等総合管理計画の策定にあたっての指針の策定について」(総財務第75号平成26年4月22日)*3を発出.これにより,2013年12月26日付の本備忘録で記録した,同計画へ記載することが企図される内容をより詳細に規定する.
同指針内では,計画を策定するうえでの「留意事項」として,「行政サービス水準」「公共施設等の実態把握及び総合管理計画の策定・見直し」「議会や住民との情報共有」「数値目標の設定」「PPP/PFI の活用」「市区町村域を超えた広域的な検討」「合併団体等の取組」の7項目をあわせて助言する.
特徴的な項目は6つめの「市区町村域を超えた広域的な検討」の項目.「総合管理計画の策定」を「市区町村間の広域連携を一層進めていく観点から」捉えている.具体的には「例えば定住自立圏形成協定の圏域など」ではひとつ自治体「のみならず,隣接する市区町村を含む広域的視野をもって計画を検討することが望ましい」とし,「都道府県」では「圏域の市区町村の公共施設等も念頭に広域的視野をもって総合管理計画を検討することが望ましい」*4と,いわば施設管理での「ネットワーク」の「形成」*5を助言する.
今後の計画の策定状況は,要観察.

*1:総務省HP(広報・報道報道資料一覧2014年4月公共施設等総合管理計画の策定要請)「公共施設等総合管理計画の策定要請」(平成26年4月22日)

*2:総務省HP(広報・報道報道資料一覧2014年4月公共施設等総合管理計画の策定要請)「公共施設等の総合的かつ計画的な管理の推進について」(総財務第74 号平成26年4月22日,総務大臣 新藤義孝

*3:総務省HP(広報・報道報道資料一覧2014年4月公共施設等総合管理計画の策定要請)「公共施設等総合管理計画の策定にあたっての指針の策定について」(総財務第75号平成26年4月22日,総務省自治財政局財務調査課長)

*4:前掲注3・総務省(公共施設等総合管理計画の策定にあたっての指針の策定について)4頁

*5:外山公美・平石正美・中村祐司・西村弥・五味太始・古坂正人・石見豊『日本の公共経営 新しい行政』(北樹出版,2014年)41頁

日本の公共経営

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