地方公務員の給与や昇任に能力、実績を反映させる人事評価制度の導入を盛り込んだ改正地方公務員法が25日の参院本会議で、与党などの賛成多数で可決、成立した。民間企業に再就職した公務員OBの元職場への口利きなども規制する。 
 同法は、2007年に改正された国家公務員法の規定に準じた内容。各自治体の首長らが人事評価の基準や方法を決定する。口利き規制は官製談合を防止するのが目的。退職後2年間、元職場への要求や依頼を禁止する。

 民間企業に再就職した元自治体職員の口利き行為を禁止する改正地方公務員法が25日、参院本会議で可決、成立した。違反者には1年以下の懲役か、50万円以下の罰金を科す。既に国家公務員は禁じられており、足並みがそろう。2016年4月施行の見通し。
 元職員は原則として、退職前の5年間に担当していた分野の許認可や契約で、再就職先の企業や団体が有利になるよう現職の自治体職員に働き掛けてはならないとした。口利きを禁止する期間は退職後2年間。

両記事では,地方公務員法の改正案*1の成立を紹介.
両記事では,同法第6条及び第23条から第23条の4の新設による人事評価制度と,同じく新設となる第38条の6第1項による退職管理の導入を報道.一方で,同法案の成立により,従来,第23条に下記の通り規定されながらも,事実上「立ち枯れ」*2ていた「職階制」*3は廃止となる.

(職階制の根本基準)
第二十三条  人事委員会を置く地方公共団体は,職階制を採用するものとする.
2  職階制に関する計画は,条例で定める.
3  職階制に関する計画の実施に関し必要な事項は,前項の条例に基き人事委員会規則で定める.
4  人事委員会は,職員の職を職務の種類及び複雑と責任の度に応じて分類整理しなければならない.
5  職階制においては,同一の内容の雇用条件を有する同一の職級に属する職については,同一の資格要件を必要とするとともに,当該職についている者に対しては,同一の幅の給料が支給されるように,職員の職の分類整理がなされなければならない.
6  職階制に関する計画を実施するに当つては,人事委員会は,職員のすべての職をいずれかの職級に格付しなければならない.
7  人事委員会は,随時,職員の職の格付を審査し,必要と認めるときは,これを改訂しなければならない.
8  職階制を採用する地方公共団体においては,職員の職について,職階制によらない分類をすることができない.但し,この分類は,行政組織の運営その他公の便宜のために,組織上の名称又はその他公の名称を用いることを妨げるものではない.
9  職階制に関する計画を定め,及び実施するに当つては,国及び他の地方公共団体の職階制に照応するように適当な考慮が払われなければならない.

立ち枯れた制度を鉢替えすることで導入された人事評価制度.今後,各自治体での根張りいく様子は,要経過観察.

*1:総務省HP(所管法令国会提出法案)「地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律案新旧対照条文

*2:大森彌『官のシステム』(東京大学出版会,2006年)47頁

官のシステム (行政学叢書)

官のシステム (行政学叢書)

*3:前掲注1・総務省地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律案新旧対照条文)