2019年に日本で開かれるラグビーワールドカップ(W杯)に、釜石市の野田武則市長は開催地に立候補する意向を固めた。1日の市議会全員協議会で表明する。W杯誘致は12億円超の競技場建設費のめどが立っていないことや、復興事業の優先を求める声もあることから判断を保留していた。立候補表明で誘致へ向けた取り組みが加速する。
 W杯誘致を目指す市民団体、RWC2019釜石誘致推進会(中田義仁代表)と競技場建設予定地となる鵜住居地区の住民代表は30日、野田市長に立候補を要請。釜石商工会議所、釜石観光物産協会、市商店会連合会の経済3団体も要望した。中田代表は「古里に自信と誇りを取り戻し、地域活性化と国際化を図りたい」と訴えた。野田市長は「要望書をよく検討し、議会と協議して判断する」と態度を明らかにしなかったが、市民の機運の高まりや地元経済への波及効果などを踏まえ、立候補の意向を固めたとみられる。
 誘致に向けて最大の課題となるのが財政。競技場建設費は12億2千万円、年間維持費が3500万円と試算されている。市単独の開催は困難なことから野田市長はこのほど達増知事に県の支援を要請。これまでに国、県から一定の支援を受けられる感触を得た。誘致が不可能となった場合でも練習試合や選手との交流イベントでW杯と関わる方法もある。そのためにも市として立候補の意思を表明することが必要と判断したもようだ。

本記事では,釜石市におけるラグビーワールドカップの開催地立候補の方針を紹介.
2014年6月6日付の同市長記者会見では「ラグビーの聖地と言われている釜石で開催できないかということをずっと検討」*1されたきたという,ラグビーワールドカップの開催.とはいえ「釜石単独ではできない事業」であるとして,その課題には一つには「県」の「理解」による「体制を組」むことと,二つめには「財源の確保」*2が課題とされている.後者の財源面での課題では,「身の丈にあったものにしたい」との方針のもとで,「現時点ではスタジアム全体の建設で大体12億,維持・管理で大体3,000万〜4,000万という数字で検討」*3されていた,という.同方針は,2014年7月1日に開催された同市議会の議員全員協議会にて「ラグビーワールドカップ2019の開催都市立候補について」*4として協議されている.ラグビーワールドカップに向けた「インフラ整備による外需の呼び込み」*5状況の推計は,要確認.

*1:釜石市HP(釜石市についてインターネット市長室記者会見)「平成26年6月6日記者会見

*2:前掲注1・釜石市平成26年6月6日記者会見)

*3:前掲注1・釜石市平成26年6月6日記者会見)

*4:釜石市HP( 釜石市について釜石市議会会議日程)「議員全員協議会の開催(平成26年7月1日)

*5: 橘川武郎『「希望学」日本再生への道』(化学工業日報社,2013年)196頁

「希望学」日本再生への道-釜石からのメッセージ

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