県は、恐竜の県公式キャラクターが生まれた架空世界「ジュラチック王国」のオフィシャルホテルの募集を始めた。県内のホテル・旅館がグッズ販売など条件を満たせば、オリジナルロゴマークの使用を認める。既に約十五業者が関心を示しており、七月十九日から来年三月三十一日に試行し、課題を検証した上で二〇一五年度から本格的に実施する。
 県ブランド営業課によると、県が二月に公式キャラを発表する前から、県のトップブランド・恐竜の統一的な活用を求める声が宿泊業者から県に寄せられていた。足並みをそろえて認知度を上げ、壁紙やシーツなど共同発注で単価を下げる効果も期待される。オフィシャルホテルの要件は、公式キャラのグッズ販売▽タオルや歯ブラシなど洗面用品に公式キャラを活用▽客室一室以上で壁紙やシーツなど公式キャラのデザインを施す▽飲食店でジュラチック王国のメニューを提供−など五項目の最低一つを満たすことと、ハードルを低くした。認められると、東京在住のデザイナー中野シロウさんが図案化したジュラチック王国のロゴマークを使えるほか、オフィシャルホテルとして宿泊商品を販売できる。
 オフィシャルホテル数に上限は設けない。県ブランド営業課は「できるだけ増やし、全県的にジュラチック王国にしたい」と意気込む。活用できる公式キャラのグッズは現在五十商品、百二十種類あり、今月中にさらに増える見通し。申請を予定するホテルリバージュアケボノ(福井市中央三丁目)の清水久恵支配人は「六年前に設けた恐竜ルームは夏休みは予約で埋まる。オフィシャルホテルになる期待は大きい。ディズニーのような質の高いホテルを目指したい」と話している。(西尾述志)

本記事では,福井県におけるブランドの取組を紹介.
「恐竜王国福井」と位置づける同県では,その「ブランドキャラクター」「Juratic」*1を「活用したホテル」を「試行」的に『「Juratic」王国 オフィシャルホテル』*2とする同取組.「「オフィシャルホテル」となる場合には,「施設内の1つ以上の客室」で「「Juratic」のデザイン(壁紙,シーツカバー,マット等)が施されている」または「「Juratic」のグッズが設置されていること」,「アメニティグッズ」に「「Juratic」商品を活用すること」,「施設内の売店等」で「「Juratic」グッズが販売されていること」,「施設内の飲食店等」で「「Juratic」のデザインが施されたメニューが提供されていること」,「その他,県が認めた場合」の「要件のうち,最低一つを実施」*3が求められる.
2014年度の同取組は「試行」と位置づけ,2014年度に「オフィシャルホテルを試行しようする者」から「状況報告書」の提出を受け,同「年度末までに検証を行」い,次「年度からの実施に備える*4」方針になる.「行政と企業との」「協働プロジェクト」*5にも位置づけられそうな同取組の検証結果は,公表後,要確認.

*1:福井県HP(観光・文化ブランド推進福井ブランド)「福井県恐竜ブランドキャラクター「Juratic」

*2:福井県HP(報道発表資料「Juratic」王国オフィシャルホテルを試行的に募集します!平成26年7月1日)「平成26年度『「Juratic」王国 オフィシャルホテル』の試行について

*3:前掲注1・福井県(平成26年度『「Juratic」王国 オフィシャルホテル』の試行について)1頁

*4:前掲注1・福井県(平成26年度『「Juratic」王国 オフィシャルホテル』の試行について)2頁

*5:稲継裕昭「「営業」する自治体」東大社研・玄田有史編『希望学 希望の福井,福井の希望』(東京大学出版会,2013年)116頁