来年度の予算編成に先立ち、舛添要一知事は二十九日、二〇二〇年東京五輪の開催準備を加速するため、施策の見直しを徹底し、重点事業を強力に進める方針を示した。前年踏襲主義から脱却するための新しい手法も試みる。二月の就任後、最初から編成にかかわる初めての予算で、各局の要求段階から「積極型予算」を打ち出した。
 必要性が低いにもかかわらず惰性的に継続している事業などの予算削減を推奨。削減した場合、削減額の二倍まで別の予算に上乗せできるようにする。原則、前年度を超えない範囲での見積もりを基本とするが、十二月の策定を目指す長期計画に盛り込む重点事業は原則から除外する。舛添知事は「まずは捨てるものを出して、出した人には倍の予算要求を新しいところでやっていいというのは、今までやったことのない手法。新しい時代に対応できる積極的な予算を組みたい」と抱負を語った。各局は十月中旬までに予算要求をし、査定後、来年一月中旬に来年度予算の原案が発表される。

本記事では,東京都における予算方針を紹介.同方針は,同都HPを参照*1
2015年度予算では「ゼロベースの視点から事業全般を検証」したうえで「抜本的な対策を講じ」,「時機を逸することなく必要な見直し・再構築を図」りながら「施策の新陳代謝を促進」する「都の自己改革力を一層高めること」*2も方針とされている.その具体化を図るための手続きとして,「全て施策及びそ実体制につい、事後検証を一層強化」 *3する.
例えば,「政策的経費」では「事業の必要性など検証をあらゆる角度から徹底して」実施し,「全体計画など後年度の負担」「過去の決算等の分析・検証を踏まえて規模・単価積根拠」を「十精査した上で必要な経費を適切に見積もる」 *4ことが求められている.ただし,本記事でも紹介されているように,「平成 26 年度予算額の範囲内」で「施策見直しによる事業費の削減を行った場合」には「削減額の2倍までシーリングよる削減分として取り扱うこができる」 *5とされている.
「予算の増額を求める「スペンダー」と財政規律を求める「ガーディアン」の戦い」*6を「スペンダー」側にも求める同取組.今後の編成状況,要経過観察.

*1:東京都HP(これまでの報道発表2014年7月平成27年度東京都予算の見積方針のポイント)「平成27年度予算の見積りについて(依命通達)」(26財主財第52号,平成26年7月29日)

*2:前掲注1・東京都(平成27年度予算の見積りについて(依命通達))2頁

*3:前掲注1・東京都(平成27年度予算の見積りについて(依命通達))3頁

*4:前掲注1・東京都(平成27年度予算の見積りについて(依命通達))4頁

*5:前掲注1・東京都(平成27年度予算の見積りについて(依命通達))4頁

*6:田中秀明『財政規律と予算制度改革』(日本評論社,2011年)331頁

財政規律と予算制度改革  なぜ日本は財政再建に失敗しているか

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